インド式カレーのお話

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更新日:
 2013年9月2日


◎インド式カレー
 日本にカレーが伝わったことを伝える詳細資料はなく、どこに、いつ伝わったかは、はっきりしていないようです。伝来した時期は、江戸末期と言われていますが、伝来の地については北海道説、横須賀説、横浜説などがあるようです。その中でも、1859年(安政6年)年に横浜港が開港し、イギリス船によって横浜にもたらされたというのが通説になっているようです。
 そのような中、「インド式カレー」というものをはじめて売り出したのは、東京、新宿にあるパンなど、食品を製造、販売していた「中村屋」です。1927年(昭和2年)、「中村屋」が喫茶部(レストラン)を開設した際、「純印度式カリー」の販売を開始しました。これが「高級カレー」の元祖と言えるでしょう。
 インド革命の志士ボース(Rash Behari Bose)は、偽名を使って1914年に日本に亡命しました。1918年に、ボースは中村屋創業者である相馬愛蔵、黒光夫妻の娘、俊子と結婚し、1923年には日本に帰化しています。(亡命した当時は、イギリス政府から懸賞金がかけられていたようですが、1919年(大正8年)、第一次世界大戦後のパリ講和会議によって英国の追及が終了し、ボースは自由の身となったようです。)
 当時、日本に広まっていたのは小麦粉を使った欧風タイプのカレーです。ボースは、この日本のカレーがインドのカレーとは全然、違うことに嘆いており、日本で本格的な美味しいインドカレーを作りたいと相馬夫妻に相談していたそうです。
 中村屋の役員を務めていたボースは、喫茶部開設に伴い、インド式のカレーを提供するよう相馬愛蔵を説得し、自ら、本格的でありながら日本人の味覚に合うカレーになるよう工夫を重ねたそうです。
 当初、米はインディカ米を使用していたそうです。また、肉も日本人が見慣れない骨付きのゴロっとした大きな鶏肉で、一般の人には馴染みがない料理でした。そこで、米をジャポニカ米のようにモチモチ感がある白目米に変更したところ、次第に売り上げが伸びていったようです。当時、町で食べられるカレーは、1杯10~12銭だったそうですが、中村屋の「純印度式カリー」は、80銭だったそうです。超高級料理です。それにも関わらず、大変な人気を得て、現在に至っているそうです。中村屋では、現在もボースが作ったレシピを守って、カレーを作り続けているそうです。

・中村屋の純インド式カリー