吉田のうどん

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更新日:
 2014年11月2日


◎吉田のうどん(2014年11月2日)
 吉田のうどん(よしだのうどん)は山梨県富士吉田市および同市を含む山梨県郡内地方で食べられている郷土料理のうどんです。2007年12月、農林水産省が発表した、農山漁村で受け継がれているふるさとの味「郷土料理百選」に選ばれました。山梨県としては、「ほうとう」も選ばれています。
 吉田のうどんの特色は、硬くてコシが非常に強い麺とキャベツやきんぴらゴボウなど、独特の素材を合わせて楽しむ食べ方です。専門店では、民家の座敷を使った店舗などが多いです。
 富士山に染みこんでから湧き出す名水を使って打った麺は「固い」という人もいるほど腰が強く、のどごしが良いです。ツユは味噌味か、味噌と醤油の掛け合わせが多く、すっきりとした味わいの店が多いです。具は、茹でたキャベツ、金平ゴボウ、油揚げ、ニンジン、カツオ節などが多く、中でも肉は馬肉であることが特徴です。薬味は、赤唐辛子と一味唐辛子をすり込んだ中に醤油とミリンを加えたものや、ゴマ油とサンショウ、ミカンの皮などをすり潰して、醤油を加えたものが代表格の「すりだね」、ゴマと唐辛子を念入りにすった「ゴマダレ」などを使います。
 富士北麓は、冷涼な気候と溶岩に由来する土壌のため、稲作が困難な地域でした。そのため、山麓地域では水掛麦による麦作が行われ、伝統的に小麦を中心とした粉食料理が日常食とされていました。
 江戸時代には富士講が隆盛を極め、北麓地域では吉田宿や河口宿など、富士参詣者相手の御師町が成立したようです。そのなかで、御師の家が並ぶ富士参詣の門前町であった上吉田(富士吉田市)で、富士山を訪れた登拝者に、登山前に身を清めるため湯もりうどんを振る舞っていたのが、吉田のうどんの由来だという話があります。
 昭和に入ると、富士吉田の主産業は織物になっていたそうです。当時、富士吉田下吉田地区の世帯の半数以上が繊維業を営んでおり、機織りの音が市内中で聞こえていたそうです。この織物業が、吉田のうどんを生むきっかけになったという説もあります。
 当時、一般家庭では、自宅で織物をしている女性に昼食の手間をかけさせないよう、また、織物を扱う女性の手が荒れないよう、男性が昼食を作ったようです。男性が力任せにうどんを練り、また、日持ちを良くするために食塩を入れたため、歯ごたえのあるコシのあるうどんが主流になったそうです。
 そして、東京や大阪などから織物を買い付けにくる問屋や機織り関係者などに昼食を提供するうどん店が生まれていったようです。この時、自宅の居間などを開放してうどん店として営業をしたことから、現在でも、のれんや看板がない民家でうどん屋を開いている店が多いそうです。
 また、富士吉田市ではうどんは縁起のいい食べ物とされ、正月や祝いの日など、ハレの日の料理として、各家庭での集まりに出されてきたそうです。「腰があって長く続く」ことから、結婚式の締めのメニューとして、必ず提供されるそうです。このような雰囲気の中、ハレの飽食感を演出するためにコシがあって硬い麺が好まれていったようです。
 現在、富士吉田市内には60軒以上のうどん店があるようです。店構えは、店舗というより普通の自宅を活用し、部屋を開放して営業する形態が比較的多く、これも吉田のうどんの特徴の1つと言えそうです。また、営業時間が昼の11時~14時という店舗が非常に多く、このことも特徴と言えるかもしれません。
 メニューは、かけ、湯もり、肉入り、きんぴらなど、店によって具の内容は変わりますが、「安さ」も特徴です。男性であれば「大盛り」や、1杯目のつゆを残しておいて「替え玉」をもらう人も多くいます。