出雲そば、割子蕎麦、釜揚げ蕎麦

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更新日:
 2019年10月27日


◎出雲そば、出雲蕎麦、出雲ソバ、割子蕎麦、釜揚げ蕎麦(2019年11月14日)
 出雲そばは、島根県の出雲地方江戸時代から食べられるようになった料理で、岩手県の「わんこそば」、長野県の「戸隠そば」と並んで「日本三大そば」とされているそうです。
 出雲そばの特徴は、製法と食べ方の2点にあります。出雲ソバは玄そば(殻のついた蕎麦の実)を、皮がついたまま挽いて、そば粉を作ります。このため色は黒っぽくなりますが香りが強く、蕎麦の風味と独特の食感がある蕎麦が出来ます。食べ方は、「もり」とか「かけ」という一般的な食べ方ではなく、「割子蕎麦」、「釜揚げ蕎麦」という独特の食べ方です。「割子蕎麦」が冷たい蕎麦、「釜揚げ蕎麦」が温かい蕎麦の食べ方です。
 「割子蕎麦」は、「割子(わりご)」と呼ばれる丸い器にそばを盛り、薬味とそばつゆを直接注いで食べます。蕎麦つゆを直接、そばにかけ、麺に絡めて食べるスタイルは、元々、野外で食べる弁当箱として用いられていたため、と言われているそうです。
 「割子(わりご)」とは、元々、木皿を重ねて、それを順に食べていくことから、「いくつにも割れている」という意味で用いられた言葉のようで。あるいは、その木皿の形が戦国時代の武士が使った「盒(ごう)」という蓋つきの容器に似ているところから「割り盒(わりごう)」と呼ばれ、これがなまって「わりご」となったという説もあるようです。
 「わりご」は、かつては杉又は檜で作った正方形のものだったそうです。明治時代に長方形のものが現れ、大正、昭和の初期までは小判型のものも使われたそうです。その後、丸型に変わり、現在ではイチョウ木地の丸型で、輪島塗のものが多く用いられているようです。
 また、昭和初期頃まで「拍子木食い」といわれる、そばの曲食いが行われていたそうです。長方形のわりごを両手にひとつずつ持ち、拍子木のように合わせて中のそばを内側に寄せ、それを箸を使わずにすすり込んで食べる食べ方で、そば食い競争の遊びのひとつだったそうです。
 割子そばは、お店によっては割子の3段重ね、5段重ねなどがあります。最初から薬味が蕎麦の上にのっているお店もあれば、別置きの店もあるようです。割子そばの食べ方は、まず一番上の割子そばの上に薬味を適量乗せて、そばつゆをかけて食べます。1段目を食べ終わったら、次の段も同じように薬味をのせた後、1段目で残ったつゆを移し、足りなかったらつゆを足して食べます。3段目も同じようにして食べ、最後に残ったつゆを蕎麦湯に入れて飲み干します。無駄がない食べ方です。
 「釜揚げそば」は、茹でた蕎麦を洗わず、そのまま器に盛って、麺を茹でたお湯を注ぎこんだら完成です。麺に上から、いわゆる「そば湯」をかけた状態です。この上に薬味を乗せ、さらにそばツユをかけて食べます。
 出雲の地が蕎麦どころとなった理由としては、いくつかの説があるようです。奥出雲地方では古くから寒さに強く、収穫までの期間が短く、痩せた土地でも栽培できる蕎麦の栽培が栄えていたようです。また、松江藩初代藩主の松平直政が信濃国松本藩から国替えとなった時、信濃からそば職人を連れて行ったため、蕎麦食が定着したという説があり、このことからは江戸時代に蕎麦食が発展したことになります。実際に、1666年(4代将軍家綱の頃)に松江の寺社奉行宅に於いて、蕎麦切りが振る舞われたという記録が発見されているそうです。蕎麦はもともと蕎麦搔きが食べられており、そば切りが食べられるようになったのは江戸時代後期という説がありますので、この地域で蕎麦食文化が発展したのは日本国内では、かなり早い時期ということになります。