味噌煮込みうどんのお話

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更新日:
 2012年4月14日


◎味噌煮込みうどん(2008年6月18日)
 名古屋の名物の一つに味噌煮込みうどんがあります。名古屋の味は、何でも味噌なんですね。味噌煮込みうどんが有名なお店に「山本屋」というお店があります。この「山本屋」は、名古屋には2社あって、1つは「山本屋総本家」、もう1つは「山本屋本店」です。(ネットで調べたら、3番目の山本屋があるようです。)しかも、この2社は、全く関係がないようです。本当でしょうか?何か、言えない事情でもあるのでしょうか?わざわざ「山本屋」なんて名乗るのですから、きっと、過去には何か繋がりがあるのだと思うのですが、何故か、このあたりが謎のままになっているようです。
 私が行ったのは、名古屋駅のエスカにある山本屋本店です。名古屋に住んでいない人からは、名古屋駅にあるということは、非常に便利だと思います。ここの味噌煮込みうどんは、麺が固いのです。パスタで言うところのアルデンテって感じです。まあ、これはお店側のこだわりのようですので、仕方がありません。私は、少し柔らかくして食べたいので、ぐつぐつ、ぐらぐらの煮込みうどんが来たら、卵につゆをかけ、少し麺の間に沈め、しばらく蓋をして待ちます。どうせ熱すぎて、すぐには食べられませんので、漬物を食べて少し待つのです。待っていても、冷めてしまう心配はありません。土鍋に入っていますので、すぐに冷めることはありません。しばらく待って、熱々の味噌煮込みうどんをいただきます。関東には無い味ですが、美味しい料理ですね。
 味噌煮込みうどんは、もともと名古屋の家庭料理で、どこの家でも作られていたものだそうです。これが、高級料理(普通のうどんのつもりで注文しようとすると、値段を見て、びっくりします。)になってしまうなんて、不思議なことです。しかし、ちょっと値段が高すぎる気がしますが。

・2012年4月11日、追加
 山本屋総本家、山本屋本店について、気が付いたことがありました。私は、普通に「煮込み」うどんと書いていたのですが、山本屋総本家も山本屋本店も、「煮込うどん」と表記しているのです。送り仮名の「み」が入っていないのです。どちらも同じこだわりがある、というのは、やはり、何かがあったのではないかと思うのですが、いずれのweb siteにも説明はありませんでした。
 ちなみに山本屋総本家は、初代店主の島本万吉と妻きぬが、大正14年、名古屋の大須で「山本屋」という屋号の店を買い取って開業したのだそうです。島本万吉は趣味が広く、味にうるさい人だったそうです。研究、改良を重ね、山本屋のうどんの独特の「こし」、真似の出来ない「味」と「こく」を生み出したそうです。
 麺を茹でてから煮るのは「鍋焼きうどん」ですが、生のうどんを直に煮るのが「煮込うどん」だそうです。このため、煮込みうどんには、塩を入れて打ったうどん使えないそうです。塩を使っていると、当然、直接、煮込んだら、しょっぱい味になってしまうからですね。
 山本屋総本家のうどんは、国内産100%の小麦粉と水だけを固く練って、太い角状の麺に仕上げてあるのだそうです。この太くてコシがある「生うどん」だからこそ、煮込みの味が生きるのだそうです。
 山本屋総本家の汁は、カツオ、シイタケ、コンブ等で作ったダシに、たまり醤油とみりんで味付けしたすまし汁がベースだそうです。岡崎産の八丁味噌(赤)と、名古屋産の白味噌の秘伝の調合がミソだそうです。これが島本万吉さんのアイディアで、赤味噌の渋みを白味噌の甘みでおさえ、まろやかな味を出し、食べ飽きない味に仕上げたのだそうです。
 鍋は、煮えるのも遅いですが、冷めるのも遅い信楽焼だそうです。また、この土鍋の蓋には穴がありません。煮込むときに、蓋をしないため、空気穴が必要ないからです。調理が終わって、持ち運ぶ時に蓋をするのですが、この蓋を小皿代わりに使って、熱いうどんを受けて食べるのが通だそうです。
 山本屋総本家は、初代店主のもと、町田守一の妻雪枝が奉公で勤めていたことをきっかけに、戦後、屋号を譲り受けて、町田守一が名古屋市中区南呉服町2丁目7番地に開店したそうです。その後、昭和29年に合資会社山本屋が設立され、昭和44年4月8日、三代目店主である町田善一が山本屋食品株式会社を設立したそうです。さらに昭和50年9月17日に株式会社山本屋総本家に社名変更をし、現在は、四代目の店主、小松原克典さんが事業を行っているそうです。
 一方、山本屋本店のサイトでは、会社設立の詳細は、一切、記載されていません。会社概要のページでは、「山本屋本店は創業当時からの伝統的手打手法と味を守りながら、名古屋市内を中心に店舗展開しております『味噌煮込うどん専門店』です。守り伝える「味」と「心」をモットーに、専門店としての姿勢を貫き、より高品質で付加価値の高い商品を作り出すため、「味」のみならず「おもてなし」においても独創性を重んじ、他店との差別化を図っております。」としか記載されておらず(2012年4月11日現在)、会社の経歴は、謎です。
 2007年12月頃までは、「山本屋本店は味噌煮込うどん専門店として創業当時からの伝統的手打ち手法と味を守りながら、常に「手作り」にこだわってきました。その後昭和35年の会社設立により愛知、岐阜のエリアに展開しております。」との記載があったようです。ちなみに、分かりづらいですが、山本屋本店を運営しているのは、株式会社山本屋本店という会社です。
 年代を比べてみると、昭和29年に設立された合資会社山本屋というのが元で、そこから別れた人が昭和35年に株式会社山本屋本店という会社を立ち上げ、新たな店舗展開を図ったというのが真相のように思えますが、どうでしょうか。まあ、真実は分かりませんが、そんなことは気にせず、名古屋に来たら、是非、食べたい料理の1つですね。



   こちらは、山本屋本店の味噌煮込みうどんです。



   これは、黒豚入り味噌煮込みうどんです。



   こちらは、山本屋総本家の味噌煮込みうどんです。



   海老天入り味噌煮込みうどんです。