カツカレーのお話

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更新日:
 2013年9月2日


◎カツカレー(2013年9月2日)
 カツカレーの発祥は、東京、銀座にある「グリル スイス」というレストランだそうです。しかも、客として訪れていたプロ野球、読売巨人軍の千葉茂氏の要請に応じて作ったのが始まりだったのだそうです。
 創業者の岡田義人氏は1923年(大正12年)に、今の東京都千代田区二番町に父、進之助の次男として生れました。岡田義人氏の父、進之助(明治28年生)氏は、「天皇の料理番」として著名な秋山徳蔵氏(宮内省大膳職主厨司長(総料理長の事、現在では宮内庁管理部大膳課主厨長を指す)とともに、日本の西洋料理の礎を創った麹町の「宝亭」(空襲により焼失)と首相官邸、国会記者クラブにて総料理長(退官後、現在のニチレイに迎えられる)をつとめ、歴代首相の東條英機から吉田茂まで料理を提供したそうです。
 進之助氏は、独学でフランス語を学び、全てのメニューをフランス語で書き、パーテイ料理を得意としていたそうです。義人氏は、その父親の影響を受け、帝国ホテルへと修行の場を求め、「ムッシュ村上」こと村上信夫氏(後に帝国ホテル専務取締役総料理長、東京オリンピック総料理長)と同期に入社しました。
 岡田義人氏は、戦後、間もない1947年(昭和22年)、銀座7丁目に「グリル 銀座スイス」を開店し、父親や帝国ホテルで学んだ技術を発揮しました。当時としては高級料理だった洋食を、より多くの方に食べてもらおうと考えて始めたのだそうです。
 1948年(昭和23年)当時、プロ野球チームの巨人軍のユニフォームは「銀座テーラー」で作っていたそうです。その店主から紹介されて、巨人軍の選手が「グリル スイス」に食事をしに寄ることが多かったそうです。千葉茂氏は、「銀座テーラー」の帰りや、多摩川の球場での練習の帰りや試合前、試合後、またはプライベートなどで来ることが多かったそうです。
 そんなある日、巨人・阪神戦の前に、「グリル スイス」に立ち寄った千葉茂氏は、お腹がすいていて沢山食べたいし、早くも食べたいと思ったのか、「カレーライスにカツレツを乗っけてくれ!」と要求したそうです。千葉茂氏の大好きなカレーライスとカツレツを両方食べたいが、面倒なので、一緒に乗せて提供して欲しい、という要求でした。
 1948年(昭和23年)当時、カレーライスの上に何かを乗せるという発想は無かったため驚いたそうですが、店主は、この要求を受け、カレーにカツレツを乗せて提供したそうです。千葉茂氏は、それをいとも簡単にペロリとたいらげ、満足されていたようです。
 その後も、千葉茂氏はカツカレーを食べていたようです。もともと好きなメニューである上、カツレツは勝負に勝つ(カツ)と言う、験担ぎもあり、試合前によく食べていたようです。カツカレーを二皿も食べる日もあったそうです。
 千葉茂氏が美味しそうに食べる姿と、見た目のボリューム感で、メニューに乗せたところ、たちまち人気メニューになり、また、あっと言う間に全国に広がったそうです。