グリル スイス

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更新日:
 2015年2月5日



◎グリル スイス(2015年2月5日)
 グリルスイスは東京、銀座にあるレストランで、カツカレーの発祥のお店として知られています。帝国ホテルで修行をつんだ岡田義人氏が創業しました。
 創業者の岡田義人氏は1923年(大正12年)に、今の東京都千代田区二番町に父、進之助の次男として生れました。岡田義人氏の父、進之助(明治28年生)氏は、「天皇の料理番」として著名な秋山徳蔵氏(宮内省大膳職主厨司長(総料理長の事、現在では宮内庁管理部大膳課主厨長を指す)とともに、日本の西洋料理の礎を創った麹町の「宝亭」(空襲により焼失)と首相官邸、国会記者クラブにて総料理長(退官後、現在のニチレイに迎えられる)をつとめ、歴代首相の東條英機から吉田茂まで料理を提供したそうです。
 進之助氏は、独学でフランス語を学び、全てのメニューをフランス語で書き、パーテイ料理を得意としていたそうです。義人氏は、その父親の影響を受け、帝国ホテルへと修行の場を求め、「ムッシュ村上」こと村上信夫氏(後に帝国ホテル専務取締役総料理長、東京オリンピック総料理長)と同期で入社しました。
 その後、岡田義人氏は、戦後、間もない1947年(昭和22年)、銀座7丁目に「グリル 銀座スイス」を開店し、父親や帝国ホテルで学んだ技術を発揮しました。当時としては高級料理だった洋食を、より多くの方に食べてもらおうと考えて始めたのだそうです。
 当時、グリルスイスのカレーは帝国ホテルと同じく「カルカッタ風カレー」と言っていたそうです。(現在は帝国ホテルもグリルスイスも、その呼び名は使っていないそうです。)インドの第2の都市名がついていますが、何故「カルカッタ風カレー」と命名したか、詳細は不明だそうです。
 グリルスイスのカレーは、小麦粉を使わないでとろ味を出し、すりおろした野菜を煮込んだカレーソースです。辛さの奥にやわらかな甘味を感じる一品です。一緒に煮込む肉はミンチを使用していますので自然にとろけます。2週間の手間をかけたカレーソースは、「カツカレー」の揚げたてカツレツの味を損なうことなく、独特の味わいが評判です。この独特な味わいのカレーは、野菜や肉自体の形が見えないですが、沢山の野菜(玉ねぎ、人参、りんご、生姜など)を使用しているため野菜嫌いの子供でも食べられるそうです。
 そんな中、創業の翌年、1948年にカツカレーが生まれたそうです。しかも、その誕生には、プロ野球、巨人軍の千葉茂氏が関係しているそうです。
 1948年(昭和23年)当時、プロ野球チームの巨人軍のユニフォームは「銀座テーラー」で作っていたそうです。その店主から紹介されて、巨人軍の選手が「グリル スイス」に食事をしに、寄ることが多かったそうです。千葉茂氏は、「銀座テーラー」の帰りや、多摩川の球場での練習の帰りや試合前、試合後、またはプライベートなどで来ることが多かったそうです。
 そんなある日、巨人・阪神戦の前に、「グリル スイス」に立ち寄った千葉茂氏は、お腹がすいていて沢山食べたいし、早くも食べたいと思ったのか、「カレーライスにカツレツを乗っけてくれ!」と要求したそうです。千葉茂氏の大好きなカレーライスとカツレツを両方食べたいが、面倒なので、一緒に乗せて提供して欲しい、という要求でした。
 1948年(昭和23年)当時、カレーライスの上に何かを乗せるという発想は無かったため驚いたそうですが、店主は、この要求を受け、カレーにカツレツを乗せて提供したそうです。千葉茂氏は、それをいとも簡単にペロリとたいらげ、満足されていたようです。
 その後も、千葉茂氏はカツカレーを食べていたようです。もともと好きなメニューである上、カツレツは勝負に勝つ(カツ)と言う、験担ぎもあり、試合前によく食べていたようです。カツカレーを二皿も食べる日もあったそうです。
 千葉茂氏が美味しそうに食べる姿と、見た目のボリューム感で、メニューに乗せたところ、たちまち人気メニューになり、また、あっと言う間に全国に広がっていったようです。ちなみに、当時はカツカレーは正式なメニューではなく、特別メニューだったそうです。1949年(昭和24年)の銀行員の初任給が3000円という時代に特別メニュー「カツレツ・カレー」は180円だったそうです。現在の感覚では、1万円以上ということになるのでしょうか。
 その後、銀座6丁目に移転し、学生や家族連れ、映画俳優など幅広いお客さんに愛されてきたそうです。創業者は1973年(昭和48年)に、49歳の若さで他界したそうですが、その味と技術は、義弟の庄子敏松に受け継がれています。ちなみにお店のロゴは、創業者本人がデザインしたものだそうです。
 1977年(昭和52年)に現在の銀座3丁目に本店を移し、翌1978年(昭和53年)には「筑地店」もオープンしています。
 カツカレー以外にもカレーライス、ハヤシライス、オムハヤシなども人気だそうです。カレーもハヤシも同時に楽しみたいという方には、「ハーフ&ハーフ」もあります。季節によって、カキフライやお得なサービスメニューもあり、いつ行っても美味しい料理をいただくことができます。





・千葉さんのカツカレー



・付け合わせのスープ



・オムレツカレー



・ハンバーグ(ミニサイズ)



・洋食屋のシュウマイ



・グリル スイス
 住所:東京都中央区銀座3-5-16
 TEL:03-3563-3206
 営業時間:11:00〜20:00
 定休日:火曜日(火曜日祝日の場合は、翌日水曜日に振休)
 駐車場:無
 アクセス:JR、有楽町駅、徒歩7分
      地下鉄、銀座一丁目駅、徒歩3分
 席数:22席
 オープン日:1947年(昭和22年)