中華園

このサイトは、日本の地域の情報についてまとめました。

  メニュー

TOPページ 

観光地 

地域情報 

日本のホテル 

日本のニュース 

日本について 

美味しいもの 

海外事情 

海外のホテル 

雑学 

用語辞典 

リンク 


更新日:
 2021年1月17日



◎中華園(2019年5月31日)
 「中華園」は、熊本市の名物料理の1つ「太平燕(たいぴーえん、たいぴんえん)」という料理を生み出したお店として有名です。(2015年2月28日、閉店)中国の福建省から16歳で来日した趙慶餘(けいよ)さんは1931年に旧植木町(熊本市北区)出身の渡辺朝子さんと結婚し、2年後の1933年(昭和8年)に熊本市中央区花畑町付近で中華園という料理店を開業しました。
 趙慶餘さんは、故郷の福建省でお祝いの時などに出されていた家庭料理をアレンジして「太平燕」という料理を作ったそうです。「太平燕」とは、もともと福州語で「タイピンイェン」と読む、中国福建省福州の郷土料理です。アヒルのゆで卵を入れたスープワンタンのような料理だそうです。「アヒルの卵」は福州語で「鴨卵(アッロウン)」と呼ぶのだそうですが、「圧乱(戦乱を鎮める)」と同音であることから、さらに「太平(タイビン)」と連想され、「アヒルの卵」を「太平(タイビン)」と呼ぶことがあるようです。
 また、福州市には「扁肉燕(福州語:ビェンニュッイェン)」という、豚肉を叩き潰してサツマイモでん粉と一緒に練り込んだ独特の歯ごたえのワンタン用の皮があるそうです。これは「燕」と呼ばれるそうです。
 この2つの素材を組み合わせた料理が「太平燕」で、「燕」は「宴」と同音であることから、「太平宴」(平和な宴)として縁起が良い名前とし、結婚式などの宴席料理として食べられているようです。福州出身者が多い台湾でも宴会料理として出される場合があるようです。
 お店は繁盛したそうですが、熊本大空襲などで2度焼け、熊本市中央区上通に移転した後も1953年の大水害で1階が水没するなど苦難が続きました。その後、熊本市桜町の「県民百貨店(旧、岩田屋伊勢丹)」、8階で営業していましたが、2015年2月28日、入居していたデパートの閉店に伴い、お店を閉じました。二代目で当時、社長を務めていた趙健次さんも73歳と高齢だったことも原因のようです。
 中華園の太平燕は鶏を数時間煮込んだ透き通ったスープに春雨、白菜、エビ、煮卵などが入ったヘルシーな料理だそうです。透明な鶏ガラのスープは毎日仕込み、その日のうちに使い切っていたそうです。つるっとした喉ごしの良い緑豆春雨に、コクのある薄塩味のスープが染みこみ、まろやなか食べ心地で絶品だったそうです。戦後、2代目となった息子の趙健次さんが、そのレシピを学校給食に提供したことによって家庭でも広まり、「太平燕」は熊本を代表するご当地グルメに成長しました。

・中華園
 住所:熊本県熊本市中央区桜町3-22 県民百貨店 8F
 TEL:
 営業時間:11:00〜21:00
 定休日:不定休(くまもと阪神に準ずる)
 駐車場:有
 アクセス::市電、辛島町電停から徒歩約3分
 オープン日:1933年
 ※ 2015年2月28日で閉店