うさみ亭マツバヤ

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更新日:
 2017年1月31日



◎うさみ亭マツバヤ(2017年1月25日)
 「うさみ亭マツバヤ」は、大阪、南船場にあるうどん屋さんで、「きつねうどん」の発祥の店として知られています。「うさみ亭マツバヤ」は、1893年(明治26年)創業の老舗のうどん屋さんです。
 明治時代、徳島県出身の宇佐美要太郎氏は、大阪、松屋町の「たこ竹」というお店で働いていたそうです。「たこ竹」は「寿司屋」だったのですが、当時、「うどん屋」も営んでおり、宇佐美要太郎氏は「うどん屋」の方で働いていたそうです。(「たこ竹」は、現在でも大阪寿司の老舗として営業を続けています。)
 しかし、「たこ竹」が「うどん屋」を廃業し、寿司だけでやっていくと決めたため、宇佐美要太郎氏は独立し、1893年(明治26年)にうどん店「松葉屋本舗」を開店しました。宇佐美要太郎氏が自分のお店を始める時、「たこ竹」の店主から、「新しいものをやったらどや?」と言われたことから、「お寿司に油揚げが合う(稲荷寿司がある)ならば、うどんにも油揚げが合うだろうと考え、素うどんに甘辛く煮た油揚げをおかずとしてつけた料理を提供しました。当初は、油揚げはうどんの上には乗っておらず、お皿で別々に提供されていたそうです。ちなみに、当時、油揚げは2枚だったそうです。また、「こんこんうどん」と呼ばれていたそうです。
 この「こんこんうどん」、ある時、お客さんが油揚げをうどんの上に乗せて食べたそうです。そのうち、みんなが真似をして食べるようになったため、油揚げをうどんの上に乗せて出すように変えたそうです。それが、いつの間にか「きつねうどん」と名前が変わり、味も少しずつ変化し、関西風のうどんダシに合うように揚げの味も変わっていったそうです。この「きつねうどん」は当時、栄養のつく庶民の味として大阪の人達に受け入れられ、その結果、多くのうどん屋さんに広がったそうです。
 現在では三代目の宇佐美芳宏さんがお店を継いでいます。お店の場所は創業当時から変わらず、店先に置いてある大きな石臼は昔、使っていたものだそうです。毎日、手打ちしている麺は大阪の人好みのやや柔らかめで程よい弾力があり、つるりとなめらかな喉越しだそうです。自慢のあげは味がしっかりと染み込んでいます。作り方は一子相伝だそうで、素材も創業当時から同じものを使っているそうです。うどんの麺は、国産小麦と輸入小麦を「同割り」して作っているそうです。ダシは利尻産の昆布や屋久島の枯節など数種を合わせて旨味を強めに出しているそうです。醤油は松江(島根県)の醸造元が特別に作ってくれているそうです。火入れをしていないので届いてからも発酵が進み、コクと甘みが深まるのが特徴だそうです。油あげは京都の錦市場から届く井戸水仕込みのものを二番ダシに砂糖と塩、隠し味の酢を加えたダシで炊いて、一旦、火を止めて揚げの上に昆布を敷いて2〜3日浸して味を浸み込ませているそうです。昔は、甘みを出すのにざらめ糖を使っていたそうですが、今は少し控えめな甘みが好まれるので、ピート大根から取れる砂糖を使っているそうです。「うさみ亭マツバヤ」の「きつねうどん」は、仕上げに柚子を一片、お揚げの上に乗せるのが特徴です。
 「うさみ亭マツバヤ」は「きつねうどん」の発祥の店ですが、「おじやうどん」というオリジナルメニューも人気だそうです。「おじやうどん」は、うどんと御飯が同じ鍋に入っている料理で、同時に2種類の炭水化物を食べるという、まさに大阪の人が好きそうな料理です。
 二代目の宇佐美辰一さんが戦時中、カツオ節が手に入らない、醤油も少ないという食材が欠乏する状況の中、「これやったら御飯も麺も半分でいける」と手に入る材料を混ぜ込んで作った料理だそうです。当時は中央市場で、マグロのせせり(マグロの骨と骨の間に残った身をスプーンでほぐし取ったもの)をおじやうどんに入れたりもしていたそうです。この料理は、お客さんに気に入られ、戦後、食材が手に入るようになり、作るのを止めた後も「あれが食べたい」と注文されることがあり、結局、オリジナルのメニューとして「おじやうどん」を作ったそうです。
 現在の「おじやうどん」は、戦時中と違って具も豪華になっています。特製の四角い鉄鍋にきつねうどんと同じこだわりの出汁、麺と御飯、穴子、鶏肉、カマボコ、椎茸、細かく切ったお揚げ、根深ネギ、甘酢生姜、そして生卵が入っています。お出汁に玉子の黄身を混ぜるとマイルドな味になり、そこに紅生姜が味を引き締めてくれ、美味しいそうです。さらに天ぷら入りの「天ぷらおじやうどん」もあります。うどんとご飯の美味しさだけでなく、大海老の天ぷらが乗り、これらを同時にいただくことができる贅沢な逸品です。
 「うさみ亭マツバヤ」は、メニューが非常に多いお店です。お客さんが飽きないようにと増えていったそうですが、デュラム・セモリナ粉を使った細麺の「まつばうどん」、葛でとろみをつけた「ナニワ焼きうどん」、細打ち麺を油で揚げた「ソフトうどん」など、他では食べることができないメニューがたくさん、あります。
 また、「美味しいうどん屋は丼も最高」ということで親子丼をはじめ、玉子丼、きつね丼、木の葉丼、他人丼、カツ丼、天丼などの美味しそうな丼ものもありますので、何度か、通いたいお店ですね。

・うさみ亭マツバヤ
 住所:大阪府大阪市中央区南船場3-8-1
 TEL:06-6251-3339
 営業時間:11:00〜19:00
 定休日:日曜日、祝日、1月1日〜4日
 駐車場:無
 アクセス::地下鉄、心斎橋駅、1、2番出口から徒歩約7分
 カード:不可
 席数:50席
 オープン日:1893年(明治26年)