ヨーロッパ軒

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更新日:
 2018年11月10日



◎ヨーロッパ軒(2018年11月10日)
 ヨーロッパ軒は福井県福井市にある洋食屋さんで、2018年11月現在、のれん分けによって福井県内各地に19店舗があります。ソースカツ丼発祥のお店として知られています。
 ソースカツ丼は、通常の「カツ丼」と異なり、ソースがかかったカツ(あるいは、ソースをかけて食べるカツ)が丼飯の上に乗っている食べ物です。
 ヨーロッパ軒は、最初、東京、新宿区早稲田に店を構えたそうです。ドイツでの6年間の料理修行から帰ってきた福井県出身の高畠増太郎氏が、1913年(大正2年)11月28日、現在の新宿区早稲田鶴巻町にある早稲田大学120号館(早稲田実業学校中等部・高等部跡地)付近で創業したそうです。屋号はヨーロッパで修行したことに由来し、当時としてはハイカラな屋号だったようです。高畠増太郎氏は、新しい料理は学生さんに一番支持してもらえると思って、鶴巻町というところで最初の店を構えたのだそうです。(「ヨーロッパ軒」の3代目社長、高畠範行さんの話。毎日放送、2018年10月9日放送の「教えてもらう前と後」より。)
 高畠増太郎氏は、当時、日本では、まだ珍しかったウスターソースと出会い、日本に持ち帰り、試行錯誤の末にソースカツ丼を生み出したのだそうです。また、1913年(大正2年)に開催された料理発表会で「ソースカツ丼」を披露したそうです。
 高畠増太郎の孫にあたるヨーロッパ軒総本店3代目、高畠範行氏によると、祖父、増太郎氏は1889年(明治22年)11月、福井市の農家の三男坊として生まれたそうです。小学校を卒業すると、市内の魚屋に奉公に出て魚のさばき方を学び、名古屋市の立ち食い寿司屋や山梨県の石和温泉で和食のイロハを身につけたそうです。しかし、石和温泉で板長と喧嘩をして店を飛び出し、横浜に出向いたそうです。そこでドイツ、ベルリンにある日本人向けレストランが料理人を募集しているのを知り、1907年(明治40年)、ドイツに渡ったそうです。
 そのドイツでウスターソースに出会い、料理修行を積むうちに、日本に帰国した時は、これを広めたいと思っていたのだそうです。1912年(明治45年)、お見合いのために帰国したものの、同年、明治天皇が崩御され、渡航自粛ムードも手伝ってドイツには戻らず、早稲田に店を開くことになったそうです。
 肝心のソースカツ丼は、ドイツのカツレツ料理である「シュニッツェル(das Schnitzel)」をもとにしたのだそうです。高畠範行氏によると「日本でどう広めようかと考えていたところ、ナイフやフォークを使わない丼に行き着いたようです。」とのことです。
 ソースのレシピは企業秘密で、東京、早稲田の時代は、調味料製造の「ブルドックソース」にレシピを開示して作ってもらっていたそうです。福井で店を開いてからは同じレシピで「イカリソース」に製造を依頼し、今に至っているそうです。増太郎氏が考案したレシピは、今も変えていないそうです
 1917年(大正6年)3月には神奈川県横須賀市追浜に出店し、横須賀港百年祭に出店したそうです。しかし、1923年(大正12年)の関東大震災で店舗が倒壊したため、翌1924年(大正13年)に総本店を福井県福井市に移転し、営業を再開、現在に至っているそうです。
 ヨーロッパ軒のソースカツ丼は、約8mmに薄くスライスしたロース肉とモモ肉を、砂のように細かなパン粉でまぶしてラード、ヘッドでからりと揚げます。そして、高畠氏がドイツで出会ったウスターソースをベースに白飯に合うように各種の香辛料を加えた秘伝のタレにつけて、御飯の上に載せたものです。油臭さがなくサラリとした歯触りはもちろん、ツーンとした甘みと酸味が醸すまろやかな口当たりは、とても美味しいそうです。
 範行氏によると、ソースカツ丼は白米とカツとソースが一つの丼に盛られるため、全てが一体でないといけない。熱々のご飯は、すべて福井産コシヒカリにしたいところだが、コシヒカリはもっちりとして食感は良いものの米粒がソースを弾いてしまう。そのため食感をコシヒカリで残しながら、炊きあがりにソースが絡む福井県産の華越前(ハナエチゼン)という品種をブレンドしているそうです。
 また、ヨーロッパ軒の名物にパリ丼と言う料理もあります。パリ丼とは、トンカツの代わりにメンチカツを乗せた料理です。肉汁たっぷりのメンチカツが、ヨーロッパ軒特製ソースと絡み合って、こちらもとても美味しいです。
 ちなみにヨーロッパ軒のシンボルマークは何故か、「牛」です。これは、創業当時、「カツ」は「牛肉」だったそうです。当時の日本には、まだ豚肉を食べる習慣がなかったそうです。このため、当時のカツ丼は「牛肉のカツ丼」だったそうです。このためマークが「牛」なのだそうです。なお、現在でも「牛カツ」はメニューにあり、食べることができます。
 ただ、実際に食べてみて分かったことは、ヨーロッパ軒は、一般的に普及している「ソースカツ丼」の発祥の店ではないということです。ヨーロッパ軒の「ソースカツ丼」は、ドイツ料理のシュニッツェルであり、洋食だと思います。いわゆる「ソースカツ丼」は和食で、ヨーロッパ軒は、少し、高級な料理だと思いました。







・かつ丼セット



・3種盛スペシャルカツ丼+牛カツ
 (トンカツ、エビフライ、メンチカツ、牛カツ)





・ヨーロッパ軒 総本店
 住所:福井県福井市順化1-7-4
 TEL:0776-21-4681
 営業時間:11:00〜20:00
 定休日:火曜日
 駐車場:有(提携駐車場)
 アクセス:JR、福井駅より徒歩15分
 カード:不可
 席数:95席
 オープン日:1924年(大正13年)1月