中華そば 白河屋

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更新日:
 2022年2月23日



◎中華そば 白河屋(2022年2月22日)
 「中華そば 白河屋」は、千葉県柏市の柏市公設総合地方卸売市場の中にあるラーメン屋さんです。たまたま近くに行く用事があり、Google mapで御昼御飯を食べるお店を探していたところ、市場があり、その中にラーメン屋さんが2〜3店舗あることが分かり、向かってみました。その中で「白河屋」が一番、評価が高かったので、行ってみました。すると白河屋だけ、店の前にお客さんが10人くらい待っていました。店の外に置いてある名簿に名前を書いて、他の店舗を見てみましたが、白河屋以外は混雑していませんでした。
 店内はカウンター席とテーブル席があり、コロナ対策ということで席数を減らしているようでした。10人程度しか入れず、この影響もあり、順番待ちが発生しているとも思われます。メニューは中華そば、チャーシューメン、あつし(チャーシューが300g)、あおし(チャーシュー無し、のり、ホウレン草増量)、汁なし、冷やし(7月、8月限定)の6種類だけです。トッピングはのり、メンマ、コーン、ホウレン草、味付き玉子(Lサイズ玉子)があり、いずれも100円です。麺の大盛りは150円増しです。
 私は中華そばの大盛りを注文しました。白河ラーメンというのは初めてでしたが、濃い目の醤油ラーメンに少し脂が張っているようで最後まで熱々のスープをいただくことができました。少し幅広の縮れ麺、ホロホロ崩れてしっかり味が染みているチャーシューが乗っていて、シンプルながら美味しいラーメンでした。
 帰ってからネットで調べたら、驚く情報であふれていました。なんと店主は1996年のアトランタオリンピック(アメリカ合衆国)で自転車競技、男子1kmタイムトライアルで銅メダルを獲得した十文字貴信さんだったのです。競輪選手が初めて出場したオリンピックでメダルを獲得したということで、大きなニュースになっていた記憶があります。店主が、そんな有名人だとは思いもしませんでした。
 十文字貴信さんは1975年11月10日に生まれた千葉県関宿町(現、野田市)出身の方です。茨城県立取手第一高等学校に進学し、自転車部に入り、3年生の時に高校総体で優勝するまでの選手になっていました。高校を卒業すると日本競輪学校に入学し、1995年4月8日に宇都宮競輪場で競輪選手としてデビューしました。すると4月24日に小倉競輪場で初優勝するなど、あっという間に頭角を現し、わずか8か月でS級に特進を果たしました。
 1996年にアトランタオリンピックの代表選考会を兼ねた全日本プロ選手権自転車競技大会(1000mのタイムトライアル)で、当時の大会記録を1秒以上更新するタイムを出し、オリンピック出場権を獲得しました。そして銅メダルを獲得し、5千万円の報奨金を贈呈されました。
 その後も競輪選手として活躍していましたが、持病だった腰痛が悪化し、2001年頃にはヘルニアによる神経圧迫を起こし、自転車に乗れない状態になり、1年ほど競走から離れてしまったそうです。その後、復帰したものの、2017年10月2日、富山競輪場でのレースで落車した際にヒザと股関節を骨折する大怪我を負い、1年以上の長期離脱をすることになりました。結局、この怪我がきっかけとなり、自転車選手とは異なる仕事をすることにしたようです。
 実際には2005年頃、腰部脊柱管狭窄症の手術で入院生活をしていた時、競輪選手は一生続けることは出来ないと思い、次の仕事について考えだしたそうです。その時、小中学生の頃の夢を思い出したそうです。当時の夢は、1番が競輪選手、その次が料理人だったそうです。そこで、大好きなものを自分の手で作りたいという思いが生まれたそうです。
 十文字貴信さんは幼少の頃、祖母の家がある福島県に遊びに行くたびに「白河屋」というラーメン屋に連れていってもらっていたそうです。そこのラーメンがとても美味しかったそうです。競輪選手になり、日本全国各地のラーメンを食べたそうですが、断トツで白河ラーメンが大好きなのだそうです。水分を多く含んだ麺の独特なモチモチ感、醤油のカエシ、香りや旨味が生きたスープという白河ラーメンにはまり、20代の頃は時間があれば競輪仲間と福島県まで行って、4軒くらいハシゴしていたそうです。
 退院後、選手として再びS級で活躍する傍ら、インターネットや料理本を見てレシピの研究を始め、家族や友人に自作した白河ラーメンを振る舞っているうちに、自分の店を出すためには独学ではなく、プロの技術を学ぼうと決心したそうです。そして2012年頃、祖母と通った店を訪ねたものの、店主が高齢となり、震災の影響で閉店していたそうです。しかし、そのお店で修業して暖簾分けされた方がやっている「白河屋」を紹介してもらい、仕込みの作業を見せてもらいながら学んだそうです。家に帰って実践しても上手くできず、見学、試行錯誤、見学、と半年に1回くらいお店に通うこと、4年くらい続けたそうです。
 お店を始める時、許可をもらい、幼少の頃に食べ、修業させてもらった「白河屋」の名前をつけたそうです。お店は2018年6月4日に開業し、競輪選手としては2019年1月15日に選手登録を消除し、正式に引退となりました。通算1512戦、186勝、優勝22回、通算獲得賞金額は5億4,305万1,400円だそうです。
 十文字貴信さんは、こだわりの強い性格だそうです。選手時代は引退までずっと自転車の調整に熱中していたそうです。自転車のわずかな変化が結果に大きく影響するため、1mm以下の単位でメンテナンスして自分の体に合わせていたそうです。そのため、朝6時から始めて気が付くとお昼を回っていることもザラだったそうです。白河ラーメンも同じで、例えば4リットルの水を使うとして、おちょこ1杯の水量の差で出来栄えが全く変わるそうです。また、気温と湿度の変化に応じて、その日に合った水量を探らなければならず、非常に難しいそうです。しかし、このようなことが楽しいと感じる性格のため、毎晩、布団に入ると明日の仕込みのことを考えて、朝が来るのが待ち遠しいほどだそうです。自転車の調整は20年近くやっても答えが出なかったそうです。白河ラーメンも100点の正解にたどり着けないかもしれないが、だからこそ夢中になっているのだそうです。









・中華そば(大盛り)



・中華そば 白河屋
 住所:千葉県柏市若柴69-1 柏市公設総合地方卸売市場内
 TEL:080-5894-0612
 営業時間:10:30〜14:00
 定休日:柏市公設市場の休業日に準ずる
 駐車場:有
 アクセス:首都圏新都市鉄道、つくばエクスプレス、柏の葉キャンパス駅から徒歩約15分
 カード:不可
 席数:10席
 オープン日:2018年6月4日