ビーフストロガノフ

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更新日:
 2015年1月3日



◎ビーフストロガノフ(beef stroganoff)(2014年5月20日)
 ビーフストロガノフ(beef stroganoff、ロシア語:бефстроганов(ベフストロガノフ)またはговядина по-строгановски)とは代表的なロシア料理の一つです。ロシア語の「ベフ」は英語の「ビーフ」ではなく、「~流」という意味ですので、「ストロガノフ流」という意味になります。このことから、正しくは「ビーフストロガノフ」ではなく、「ベフストロガノフ」と呼ぶのが正しいようです。
 16世紀初頭にウラル地方で成功した貴族、ストロガノフ家(Count Stroganoff)の伝統の料理であったという説がありますが、これ以外にもいくつかの説があるようです。ストロガノフ家は製塩業で巨富を得、国家から要塞建設権や私兵保有権を与えられてウラル・シベリア地方植民政策の先兵となり、度々、ロマノフ朝を金銭的に援助したロシアの豪商一族です。
 有名な説としては、アレクサンドル・セルゲーエヴィチ・ストロガノフ(1733年~1811年)の時代に生まれたというものがあります。年老いたアレクサンドル・セルゲーエヴィチは多くの歯が抜け落ち、好物のビーフステーキが食べられなくなってしまったそうです。そこで、彼のために食べやすい大きさに切った牛肉を柔らかく煮込み、かつ牛肉の風味を生かした料理が考案されたというものです。
 また、20世紀のロシアの料理研究家ヴィリヤム・ポフリョプキンは、この料理はアレクサンドル・グリゴリエヴィチ・ストロガノフ(1795年~1891年)の時代に生まれたと主張しているそうです。ポフリョプキンは、アレクサンドル・グリゴリエヴィチがオデッサに住んでいた時代に開催していた「開かれた食事会」のために、コックが作ったものであると主張しているそうです。当初、この料理に名前は無かったそうですが、アレクサンドル・グリゴリエヴィチの没後、料理を気に入ったオデッサの人達が、彼を偲んで料理に「ストロガノフ」の名を付けたとしています。
 これ以外にも、食事と料理が好きな当主が深夜、小腹が空いて起きたものの家人や使用人が眠っていたため、有り合わせの材料で料理を作ったところ、美味しかったということから生まれた料理だとする説や、ストロガノフ家のコックが誤ってソースを焦がしたことがきっかけで誕生した料理だとする説などもあるそうです。また、16世紀末にはすでにロシアで食べられており、コサックの首領イェルマークの食卓にものぼっていたという説もあるそうです。
 Elena Molokhovets(1831年5月10日~1918年12月)が1861年にロシアで出版した「Classic Russian Cooking」というレシピ本に「ビーフストロガノフ」という料理名が記載されています。ここでは「Govjadina po-strogonovski, s gorchitseju」という料理名で記載されており、英語では「Beef Stroganov with mustard」、日本語にすると「牛肉のストロガノフ風、マスタード添え」という料理名になります。「Govjadina」はロシア語で「牛肉」の意味です。また、この時点で「古典的な料理」とされていますので、19世紀以前にロシアでは一般化していたと考えられます。
 現在の日本ではロシア料理店の定番メニューになっている上、エスビー食品などの食品会社から手頃な値段で固形ルウが売られ、家庭でも簡単に作ることができるようになっています。
 一般的には、牛肉の細切りとタマネギ、マッシュルームなどのキノコをバターで炒め、若干のスープで煮込み、仕上げとしてスメタナ(サワークリーム)をたっぷりいれて完成です。バターライスや白飯、パスタ、揚げたジャガイモと一緒に食べることが多いようです。
 ストロガノフ家で提供されていたオリジナルのビーフストロガノフは、牛肉を煮込む前にワインを加えた湯で蒸し、マッシュルームとケッパーを加えた料理だったそうです。ウクライナ風では色は白く、ビーフシチューというよりも、むしろ味も色もクリームシチューに近いようです。