讃岐うどん

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更新日:
 2017年1月15日


◎讃岐うどん(2017年1月15日)
 香川県の特産、名物のうどん料理です。2014年のタウンページに掲載されている「うどん店」の数は、香川県内では630軒あります。軒数では全国で14位(総数は24,030軒、1位は東京都(2,901軒)、2位は埼玉県(1,585軒)、3位は愛知県(1,416軒)、4位は大阪府(1,341軒)、5位は神奈川県(1,185軒))ですが、人口10万人あたりでは63.96軒となり全国1位です。(2位は群馬県(43.15軒)、3位は福井県(39.5軒)、4位は山梨県(36.84軒)、5位は栃木県(34.04軒))
 生めん類の表示に関する公正競争規約及び施行規則(1976年10月20日施行、2012年10月18日改正)によると、生麺類に「名産、特産、本場、名物」等を表示する場合は、以下の基準を満たしていることが必要です。
 香川県内にて製造されたもの
 手打ち、手打ち風のもの
 加水量:小麦粉総重量に対し約40%以上
 小麦粉総重量に対し3%以上
 熟成時間:4時間以上
 ゆで時間15分で十分α化していること

 讃岐うどんの歴史は、讃岐が生んだ弘法大師空海が、中国から持ち帰ったのが始まりと伝えられています。空海は延暦804年、31歳の時、入唐し、1年あまり長安に滞在し、806年に帰国しました。その時、いろいろなものを持ち帰ったのですが、その中に「うどんの製法」、「小麦」、「唐菓子」などがあったとされています。
 香川県中部を北流する綾川流域の滝宮(綾南町)に空海の甥にあたる智泉大徳という僧がいて、空海が智泉に唐の麺の作り方を教えたとされています。智泉は、覚えて帰り、両親に御馳走したと伝えられているそうです。
 讃岐での小麦作りは、5~6世紀頃に朝鮮半島から秦氏(はたうじ)によってもたらされた焼畑、定畑の技術と共に発展した可能性があるそうです。秦人が多く住んでいた地方は大和、山城、河内、摂津、和泉、近江、美濃、若狭、讃岐、伊予などであったとされており、当時から香川と愛媛地域は大陸からの先進的な畑作技術の導入や、種子が持ち込まれた可能性があるそうです。
 また讃岐地方は小作地が多く、降雨量も少ないことから干ばつに悩まされていました。水田で米を作ることが難しい土地であったことから米の代用食として麦の生産が増えていったことは想像に難くありません。
 綾川は土器川に比べて川幅が狭く、川底が花崗岩でできていて水量が豊富だったことから、ここに水車を設置して製粉することができたそうです。さらに古代から塩の産地であり製塩が盛んであったこと、品質の良い「いりこ」が多く取れたこと、小豆島は江戸時代から有数の醤油生産地であったことなど、「うどん作り」に適した地であったことから、うどんが広まったものと考えられます。
 886年(仁和2年)、讃岐の龍燈院(現在の香川県綾歌郡綾川町)のすぐ横を流れる綾川に実在した水車(寺車)の記録があるそうです。龍燈院は、行基、空海などの日本で最高位レベルの大師が開祖した寺院であることから、唐に学んだ儀典に因んで小麦など穀物を挽き、寺院の斎食や供養の食事等に使っていた可能性があるようです。また、平城宮址から発掘された木簡には「讃岐国」及び「秦」の名を記したものが10点近くあり、平城宮に穀物を献上するほどの農耕技術と生産体制を持っていたことが分かります。
 元禄年間(1688~1704)に、絵師の狩野清信が「金毘羅祭礼図屏風」という屏風絵を描きました。これは「金毘羅様」で知られる金刀比羅宮の例大祭の様子を描いたものですが、門前町の庶民の様子がいきいきと描かれる中に、3軒の「うどん屋」があります。上半身を脱いで粉をこねている人、粉を麺棒で延ばしている人、そして包丁で切っている人がありありと描かれており、当時、すでにうどん屋という商売があったことが分かります。
 ただ、昭和20年代までの讃岐うどんは、現在のように知名度はなかったようです。讃岐うどんは、店で出されるうどんとしてよりも、家庭料理の1つとして食卓に上がることの方が多かったようです。讃岐地方では、冠婚葬祭などの年中行事には、家庭でうどんが出されるそうです。大晦日も、讃岐では蕎麦でなく、うどんで年を越すのが通例だったそうです。
 戦後、香川県内に「ご飯もの以外にうどんも出す」という営業形態をとる食堂が多くなったようです。うどんを提供する店は、一時期は3000店以上もあったそうです。
 昭和30年代になって、うどんをメインで提供するうどん専門店が現れるようになったようです。1963年(昭和38年)には、四国への玄関口である高松駅の構内に立ち食いうどん店が開業しました。これが讃岐うどんブームのきっかけの1つとなったと言われているそうです。
 その後、1970年の大阪万博や、それ以降のテレビの紹介などによって知名度が高まっていきました。2002年以降、首都圏にセルフうどん店がチェーン展開するようになり、ブームになっています。
 香川県のうどん屋さんは、大きく分けて2種類あります。1つは、ごく一般的なお店とセルフスタイルのお店です。一般的なお店は、お店にはいって席について、メニューから料理を選ぶ形ですが、セルフスタイルは店によって形式が異なります。基本的にはカウンターで店員さんに、うどんの種類(かけ、釜あげ、ぶっかけなど)、麺の「玉」の数(あるいは大、中、小など)を選びます。麺を受け取ったら、自分で具(各種天ぷら、揚げ物など)を取って会計します。会計の後に薬味(ネギ・ショウガ・ゴマなど)をかけて完成です。お店によっては麺を自分でゆがいたり、ダシを自分でかけたり、いろいろなパターンがあります。
 讃岐うどんの種類には、以下のようなものがあります。

・打ち込みうどん
 大根やニンジン、里イモなどを味噌味で煮込み、茹でない状態の麺(生麺)を加えて、煮込むうどん。讃岐名物「どじょううどん」もこの一種。

・かけ
 ゆであがった麺を水で締めた後、湯でさばいて、かけだしをかけて出したうどん。熱いダシと冷たいダシがあり、熱いダシをかける場合は「あつあつ」、冷たいダシをかける場合は「あつひや」と呼ぶことがあります。「ひやあつ」は水で締めた麺に、熱いかけダシをかけたうどん、「ひやひや」は水で締めた麺に冷たいかけダシをかけたうどんです。



・釜あげ
 釜の中でゆであがった麺をそのまま、ゆで汁と一緒に鉢に移したうどん。つけダシで食べます。



・釜ぶっかけ
 釜あげしたうどん(水で締めていないうどん)につけダシをかけたうどん。



・ざる
 ゆであがった麺を水で締め、ざるにのせて出したうどん。つけだしで食べます。



・しっぽく
 ゆであがった麺を水で締めた後、湯でさばき、そこへ大根やニンジン、里イモなどを醤油味で煮込んだダシをかけて食べるうどん。

・しょうゆ
 ゆであがった麺を水で締め、そのままのうどんにしょうゆをかけたうどん。麺本来の味が楽しめるとして、香川では定番の食べ方の1つです。



・天ざる
 天ぷらの付いたざるうどん。天ぷらを天つゆではなく、ざるうどん用のつけダシにつけて食べるのが讃岐流です。「釜あげ天ぷら」も同じ要領で食べます。「天ぷらうどん」は、かけうどんの上に天ぷらがのったうどん。



・ぶっかけ
 ゆであがった麺を水で締め、つけダシをかけて出したうどん。「ざるぶっかけ」と呼ぶ場合もありますが、ザルには盛られていません。



・湯だめ
 ゆであがった麺をいったん水で締めた後、湯でさばいて新しい熱い湯に入れて出したうどん。つけダシで食べます。