つけ天のお話

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更新日:
 2012年12月3日


◎つけ天(横浜)
 つけ天とは「天ぷらをつけたつゆで食べる盛り蕎麦」のことだそうです。これは、横浜市にある「角平」という蕎麦屋さんが始めた料理だそうです。
 「角平」は、横浜市西区平沼にある蕎麦屋さんです。「角平」のウェブサイトによると、戦前はカツ屋を営んでいたそうですが、1950年(昭和25年)に先代の女将、藤江婦美子が蕎麦屋、「角平」を創業したそうです。平沼商店街の端にあるお店で、「平沼の角にある」ことから店名を付けたそうです。
 この初代は、蕎麦を愛していたそうですが、日頃から「盛り蕎麦ではもの足りないが、天ぷらソバでは蕎麦が死んでしまう。」と考えていて、「シコシコとした蕎麦と衣がふやけずにおいしく食べられる天ぷら(海老も蕎麦も活きる料理)」の研究を続けていたそうです。その結果、「蕎麦と熱い汁を別々にする」という発想が生まれ、現在、「天ざる」や「天せいろ」の祖となる「つけ天」が誕生したとのことです。
 しかし、当初、店の職人は「邪道だ」と大反対していたそうです。このため、賄いとしてや、知人だけに食してもらっていたようですが、美味しいという評判が広がっていったそうです。そして、満を持して、昭和35年にメニューに加えたところ、たちまち評判になったそうです。
 日本麺類業団体連合会および、全国麺類生活衛生同業組合連合会のウェブサイトによると、温かいかけそばに天ぷらをのせた「天ぷらそば」は江戸時代からあったそうです。一方のもりそばと天ぷらを組み合わせた「天もり」は昭和に生まれたメニューとの説明があります。
 「つけ天」が「天盛り」、「天ざる」や「天せいろ」などの元となったのかは分かりません。天麩羅をかけそばに乗せた天ぷら蕎麦が江戸時代からあったというのはすごいことです。ただ、熱いつゆの中に蕎麦と天ぷらを入れるため、料理としての天麩羅よりも衣が厚くなっています。これは、厚い衣に汁が染み込んで丁度良い味になるようにしてあるとか、煮込んでも衣がはがれないようにしたためとも言われています。しかし、料理としての天ぷらの方が美味しいのが事実だと思いますし、昭和になって豊かになった時、美味しい蕎麦と美味しい天麩羅を食べたい、という要求が起こって、いろいろなお店で「天盛り」、「天ざる」や「天せいろ」などが生まれたとしても不思議ではありません。
 しかし、云われが明確で、生まれた当初の理念が今も生き続けている「つけ天」は、一度、食べる価値があると思います。