手羽先のお話

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更新日:
 2008年9月18日


◎手羽先(2008年9月18日)
 名古屋の名物の1つに手羽先という食べ物があります。手羽先とは、鶏の羽先の部位のことですが、名古屋では、この「手羽先の唐揚げ」を、単に「手羽先」と呼んでいます。他の地域にはない、名古屋の名産の一つと言えるのではないでしょうか。
 手羽先のお店としては、「風来坊」と「世界の山ちゃん」が有名です。風来坊は、独特のタレに浸けられた甘辛な味付け、世界の山ちゃんはコショウたっぷりのスパイシーな味付け、という特徴があります。どちらも美味しいのですが、どちらかと言えば、私は風来坊の手羽先が好きです。名古屋の人に聞いたら、あのタレが非常に重要で、新しくできた店舗に行ったら、味がなじんでいなくて美味しくなかった、とのことでした。私は名古屋に住んでいるわけではないので、そこまで食べ比べることはできませんが、他の地域にはない名古屋独自の料理ということで、名古屋に出張する際には楽しみにしている食べ物の一つです。
 この手羽先の発祥は「風来坊」のようです。風来坊の創業者である大坪健庫氏は、1929年(昭和4年)生まれで、北九州市、門司で妻、淑子氏と2人で、10人も座れば満席となるような小さな飲食店を営んでいたそうです。そこで、若鶏の半身を揚げて熟成させた独自のタレをつけた「ターザン焼き」という料理が生まれたそうです。
 1963年(昭和38年)、大坪氏は名古屋に移り、熱田区、比々野にお店を開きました。前述の「ターザン焼き」を主力に、鶏料理全般のお店だったようです。ある日、いつものように仕入れ先へ出掛けた大坪氏は、そこに山のように積まれている「手羽先」を見たそうです。当時は、スープの材料としてしか使われていなかったのですが、山のような手羽先を見たことで、閃きがあったようです。
 そこに、それまで食材として見られていなかった手羽先に、ターザン焼きのタレをつけたらどうかと思ったそうです。そして、手羽先をメニューに加えたところ、大人気になったそうです。鶏の半身の丸揚げというターザン焼きはボリュームがあり、値段も高かったのですが、手羽先は軽くて、美味しく、しかも安かったからです。現在では、名古屋のいろいろなお店で手羽先が提供されるくらいに広まり、名古屋の1つの食文化を形成するまでになっていったようです。

・風来坊の手羽先



・世界の山ちゃんの手羽先