老舗蕎麦店の系列

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更新日:
 2022年9月3日



◎老舗蕎麦店の系列(1996年7月9日)
 老舗蕎麦店の系列は「砂場」、「更科」、「藪」、「一茶庵」の4系列があるそうです。

①砂場系
 蕎麦を商う店の発祥は、豊臣秀吉の大阪城築城の時にさかのぼるというのが通説です。工事用の砂置き場の周辺に「津(つの)国屋(くにや)」、「和泉屋(いずみや)」という蕎麦店が開業し、所在の俗称で「砂場」と呼ばれ、それが蕎麦店の代名詞になってしまったそうです。
 砂場の東京進出は寛延四年(1751年)頃と推測されるそうです。以来、「砂場」の暖簾は関東に広まっていき、暖簾会の砂場会は現在、180店をこえる規模になっているそうです。砂場会といってもチェーン店ではないので、店ごとに独自の蕎麦を追求しているそうです。共通点は、一番粉を使用した白くて細い麺とやや甘めの汁です。
 発祥の地の大阪では「和泉屋」が明治10年代に廃業して砂場の暖簾は途絶えたとされています。

②更科系
 砂場に続く江戸蕎麦の老舗は「更科」ですが、「藪」と対比されることが多いようです。更科の蕎麦は白くて汁は甘い一方、藪は黒くて汁が辛いというイメージができています。
 この両者を名乗る看板は全国各地にありますが、江戸蕎麦の高名にあやかって名付けたものが多く、直系は意外に少ないそうです。
 「更科」の発祥は、はっきりしているそうです。寛政元年(1789年)、信濃布の行商をしていた清右衛門が、麻布永坂高稲荷下に「信州更科蕎麦処 布屋太兵衛」の看板を掲げました。清右衛門はソバ粉の集散地、信州更級郡の「更」と、主家保科家から許された「科」の文字を合せて「信州更科蕎麦処」としたところ、客が「更科」と呼び、通称となったそうです。
 「さらしな蕎麦」は、普通の蕎麦より細く作られます。細いと全体の表面積が大きくなり、汁とのからみがよくなります。つゆのつきが良いので薄めで甘い汁が合います。

③藪系
 「やぶ」と呼ばれる蕎麦店は江戸時代中期に出現しているが、周辺に竹藪が多いことからつけられた俗称であった。砂場の名称と同じ伝である。最初に藪蕎麦と呼ばれたのは1700年代、雑司ヶ谷「藪ノ内」に店を張った「爺(じじ)が蕎麦」である。
藪の蕎麦は黒いといわれるが、それは更科と比較してであって、碾きぐるみの田舎蕎麦ほど黒くなく、普通の蕎麦の色といっていい。
藪の汁は辛い。三番粉まで使う普通の蕎麦は香りも甘みも豊かだが、汁にどっぷりつけると特徴が消えてしまう。汁にちょっとつけて啜(すす)るときの動作は、麺を高く引き上げて素早く口に手繰(たぐ)りこむことになるので、粋を身上とする江戸っ子に好まれたに違いない。そんな風潮も後押しして、藪の汁は濃い辛口のものになったのであろう。

④一茶庵系
 「一茶庵」は、創始者、片倉康雄(友蕎子)が1926年2月、東京、新宿駅東口に「一茶庵」を開業しました。片倉友蕎子は蕎麦店で修行したことはなく、全くの独学だったそうです。
 第二次大戦でいったん店をたたんだものの、戦後1954年に一茶庵は栃木県足利で再出発しました。戦後、すでに名人として認められていた友蕎子は、蕎麦打ちのノウハウを公開の教室で広めていったそうです。その教えを受けた人達が全国に良質の蕎麦を広めていったそうです。

・やぶそば(1996年7月9日)
 二番粉で打つ、黒っぽい蕎麦です。香り、コク、栄養が高い。つゆは甘味が強く、色、味が濃い。

・更科そば(1996年7月9日)
 一番粉で打つ、白っぽいそば。香りが弱く、薄味です。

・そば粉
 蕎麦粉は製粉、篩分けの度合いにより「一番粉」、「二番粉」、「三番粉」などに分けられます。

・一番粉
 内層粉。蕎麦の実の外皮、ぬか、胚芽が入っていない蕎麦粉です。ソバの実の中心部分の胚乳のさらに中心部が主体で、白色で旨味や甘みが高い最上級粉ですが、ソバ独特の香りや風味が、やや欠けます。成分は主に炭水化物(澱粉)と水分です。更科粉とも言われます。

・二番粉
 中層粉。胚乳と子葉(胚芽)の一部が主体で、うす緑黄色で香りが高く、風味に優れています。また、栄養価も高いです。

・三番粉
 表層粉。胚乳の一部と子葉(胚芽)と種皮(甘皮)の一部が含まれています。うす青緑色で、香りが非常に強く、栄養価が非常に高いです。しかし、味と食感が劣ります。

・末粉
 子葉(胚芽)と種皮(甘皮)部分です。黒っぽく、風味は強いですが、食感は劣ります。主として、乾麺などに使用されています。

・ひきぐるみ
 抜き実、もしくは玄蕎麦を直接ひいた粉を篩で調製したものです。一番粉、二番粉等に分けたものをあわせた粉ではありません。