にしん蕎麦

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更新日:
 2019年10月12日


◎にしんそば、にしんソバ、にしん蕎麦、ニシン蕎麦、ニシンそば、鰊そば、鰊蕎麦、鰊ソバ(2019年10月12日)
 「にしんそば(鰊蕎麦)」は、かけそばの上に「身欠きニシン」の甘露煮を載せた料理です。北海道と京都府の名物料理となっています。身欠きにしんの「身欠き」とは、にしんのさばき方にまつわるもので、かつて鰊の腹側の部分を切り落としていたことから「身を欠く=身欠き」となったそうです。
 北海道は、もともとニシン漁が盛んでしたので、北海道では自然に発生していたかもしれません。有名なお店としては、ニシン漁で栄えた檜山郡江差町に200年以上の歴史を持つ豪商「横山家」に伝わったレシピがあるそうです。当地では、鰊ソバの元祖と言われているそうです。
 江差の横山家は、寛延元年(1748年)、能登の国(現、石川県珠洲市)で生まれた初代、横山宗右衛門が明和6年(1769年)、21歳の時、ニシン漁が盛んになっていた江差に移住してきたようです。その後、様々な苦労の末、天明6年(1786年)頃には漁業、商業、回船問屋を営むまでになったそうです。
 その後、文政五年(1822年)には江差の中心、姥神神宮前の現在地に店舗、住居を構え、現在まで家屋が残っています。実際に御家族が8代にわたって住んでいましたので、当時からの生活用品、諸道具、記録等、江差の歴史を物語る貴重な資料が引き継がれています。このため1963年(昭和38年)には北海道の有形民族文化財に指定されています。
 「横山家」は入館料300円で母屋と四番蔵の見学、併設する蕎麦屋で伝統の鰊蕎麦を提供していましたが、8代目の横山敬三さんが2018年3月に73歳で急逝されたため、2018年6月1日から休館となっています。
 江差町内には他にも12軒以上、にしんそばを提供する飲食店があり、ご飯に身欠き鰊の甘露煮を載せた「江差にしん丼」という料理を出す店も多いそうです。北海道では留萌市もニシンで栄え、北前船で本州にニシン製品を出荷していた経緯があり、市内にはニシン蕎麦を出す店があるそうです。
 また小樽市では、にしんそばにアレンジを加えた「群来(くき)そば」という料理が売り出されています。これは、産卵期を迎えたニシンが大群で浅瀬に押し寄せて産卵し、海が乳白色に染まる現象のことを「群来(くき)」現象と呼ぶことから来ているそうです。「群来そば」は、「にしんそば」の鰊の下にすりおろした山芋をかけ、海が白く濁った様子を表しています。さらにニシンが昆布に産卵することから、昆布を添えてあります。地産地消にこだわり、小樽近海産の鰊、子持ち昆布、小樽産のそば粉、ねまり芋などを使っているそうです。
 一方、京都のニシン蕎麦は「松葉」というお店が発祥です。北海道で獲れた鰊は乾燥させ、「身欠きニシン」に加工された後、北前船などの海路で京都に入ってきていました。江戸時代、京都で身欠きニシンは、長期保存が可能な海産物、貴重なタンパク源として重宝されていたそうです。「松葉」の二代目、松野与三吉は、この「身欠きニシン」の骨を柔らかく煮る加工法を生み出し、ニシンを蕎麦に合わせて新しい料理を作ったそうです。美味しくて栄養価が高い鰊蕎麦は京都の人に愛され、京都を代表する料理の1つになったそうです。その結果、京都では年越しそばに「にしん蕎麦」を食べる人が多いそうです。