汁粉のお話

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更新日:
 2012年6月30日


◎汁粉(2012年6月30日)
 汁粉(しるこ)とは、広辞苑(岩波書店、第五版)によると、「小豆の餡を水でのばして汁として砂糖を加えて煮、中に餅または白玉などを入れたもの。漉し餡のものと粒餡のものとがある。」と説明されています。これに良く似た料理に善哉がありますが、広辞苑では善哉を「関西ではつぶし餡の汁粉。関東では粟餅・道明寺餅・白玉餅などに濃い餡をかけたもの。」と説明しています。すなわち、善哉は汁粉の1種ということです。
 一般的に、関東の場合は小豆あんの汁物全般を「しるこ」と呼びます。すなわち「粒あん」でも、「こしあん」でも、同じ「汁粉」です。呼び方として、粒なしコシ餡のものを「御前汁粉」、粒ありの汁粉を「田舎汁粉」と呼び分けることが多いようです。また、ほとんど汁気のない練りあんを餅や粟などにかけたものを「善哉」と呼ぶことが多いようです。
 一方、関西では、粒のないコシ餡で作ったものを「しるこ」、粒があるものを「ぜんざい」と呼びます。関東で「ぜんざい」と呼んでいる、「餅などにあんを添えた料理」は、関西では「亀山」と呼びます。さらに餅の形や火の入れ方、口直しなども地方によって違いがあるようです。
 この「汁粉」という名前の由来には諸説があり、はっきりとはしていないようです。江戸時代、文政13年(1830年)にまとめられた「嬉遊笑覧(きゆうしょうらん)」という書物には、「今は赤小豆(あずき)の粉をゆるく汁にしたるを汁粉といえども昔はさにあらず。すべてこといふは汁の実なり」とあるそうです。
 この文書から、2つのことが分かります。まず、江戸時代には、すでに小豆で作った現在の汁粉に近いもの(あるいは、全く同じもの)があり、それが、「汁粉」と呼ばれていた、ということが分かります。また、1830年以前(どれくらい昔かは不明ですが)では、汁の「具」のことを「こ」と呼んでいた、ということで、もともと「汁粉」という料理があったとすると、江戸時代にあった汁粉とは違うものである、ということです。
 しかしながら、この説明では、味噌汁も吸い物も全て「汁粉」という料理になってしまいますが、何故、小豆ベースの汁料理のみを「汁粉」と呼ぶようになったのか分かりません。ただ、江戸時代に既に、そのような名称が一般化しており、その起源が不明なようなので、どのような経緯があったかを解明することは難しそうですね。