鮭のお話

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更新日:
 2009年1月28日


◎鮭(salmon)(2009年1月28日)
 シャケはサケの俗語だそうです。シャケは江戸っ子の訛りとか。実は、サケの語源はアイヌ語「シャケンベ(夏食)」からといわれています。しかし、アイヌ語ではサ行とシャ行の区別はないのだそうで、アイヌ人には「サケ」も「シャケ」も音としては同じことだそうです。日本人のRとLと同じように。ちなみにイクラは魚の卵を意味するロシア語のikraが語源です。
 鮭は、日本人の好きな魚です。1996年の消費量で見ると、日本が50万トン、ノルウェイ20万トン、米20万トンでダントツです。日本はサケの分布域の南限にあたります。
 サケ科の魚には、サケ属、イトウ属、イワナ属などがあり、全部で70種ほどいます。そして、サケ属にはシロザケ、ベニザケ、ギンザケ、サクラマス、カラフトマス、マスノスケ(キングサーモン)などがあります。
 サケは母川回帰といって生まれた川に戻ってきます。日本のシロザケは5,000km以上の回遊した後、帰ってきます。これはニオイと視覚の両方によっているのだそうです。サケ(シロザケ)は海にいるときは銀色ですが(銀毛(ぎんけ)とよびます)川に入ると汚いマダラ模様ができます。これは婚姻色と呼ばれるものです。この時期のサケをブナザケと呼びます。ブナの木の肌の色(模様)に似ているからです。
 オスは縦にまだら、メスは横に太く一本の線がでます。しかし、オスなのに横に太いメスの模様が出ているサケもいるんです。実は、雌を争う争いに負けた雄はストレスで雌の色になってしまうんだそうです。あと、顔も鼻曲がりと呼ばれるように変化してきます。アラスカなどに遡上するベニザケのあの真紅の色も婚姻色です。悲しいことに、サケは子供を産むと親は死んでしまいます。
 初夏に北海道の沖合いを回遊している白サケは「時知らず」、または、「時サケ」と呼ばれています。「時サケ」は沖で獲れるため、脂がのり最高においしいのです。
 秋口、川に上るために沿岸に近づくサケが「秋味(あきあじ)」です。そして、「秋味」に塩をしたものが新巻鮭です。昔、鮭に塩をし、形をくずさないようにするため荒縄を巻いたものを「荒巻」と呼んだことに由来します。

・マスとサケって?
 マスはサケ科の魚類のうち「マス」と名のつく種類のものの俗称です。サケやマスの名は実は特に意味がなく、新しく発見した、似たような魚に関して、後からどんどん名前を付けていった結果、学問的な分類とはかけ離れたものになってしまったのです。

・魚には白身魚(鯛など)と赤身魚(鮪など)がありますが、サケは何魚でしょう?
 赤身魚と白身魚の区分は、100gあたりの「ヘモグロビン」と「ミオグロビン」の含有量が10g以上は「赤身」の魚、それ以下が「白身」と分類されています。ところが、サケの赤はこれとは違い、脂溶性カロチノイド(アスタキサンチン)です。
 と言う事で、答えは白身魚です。身が赤いのはエサの影響です。好んで食べるオキアミなどの色が身を赤くしているのです。イクラの赤いのもそうです。このアスタキサンチンは抗酸化力があり、体にいいものです。
 白身魚は近海魚に多く、赤身魚は回遊魚に多いのです。短距離向き、長距離向きと筋肉の質が違うのです。(人でも短距離選手と長距離選手は筋肉の種類が違ってきます。)サケは白身魚ですから、長距離には向いていないのです。それでも回遊するのですから大変です。

・海に行かないサケの仲間は?
 ヒメマスが有名ですが、ヒメマスはベニザケが淡水に閉じ込められたものだと言います。

・赤いサケほど脂の乗って美味しい?
 一般に同じ種類で比べた場合、サケの肉は赤みが強いほど脂が乗っているとされます。水産会社では、サケの肉を赤みによってレッド・ピンク・ホワイトにランク付けすることが多いそうです。

・甘塩、辛塩の区別は?
 塩鮭の塩辛さは「甘塩」「辛塩」等の表示を目安に選びますが、実は同じ表示でも塩分濃度はかなりまちまちです。塩水に漬けて塩鮭を作る場合、3~5%の塩水に漬けたものを甘口、5~8%を中辛、それ以上を辛口とする場合が多いのですが、漬ける時間や魚の状態(大きさや身の厚さ等)、部位等によって出来上がった塩ザケの塩分濃度は異なってしまうからだそうです。