ピロシキ

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更新日:
 2020年3月3日


◎ピロシキ(英:pirozhki)(2020年3月1日)
 ピロシキ(ロシア語:пирожки)はロシア語で、ウクライナ語ではプィリジキ(ウクライナ語:пиріжки)と呼ばれる東欧の惣菜パンです。多くの日本人がロシア料理を代表するメニューとして認識していますが、ロシアの家庭料理の1つです。正式な発音は「ピラシキー」だそうです。「ピロシキ」という呼び名は、ロシア語の「ピロジョーク」の複数形だそうです。
 「ピロシキ」とは、ロシア語で「小さくてかわいいピロギ(ピローグ)」という意味だそうです。もともとロシアには「ピロギ(ピローグ)」と呼ばれる料理がありました。ピロギはオーブンの天板いっぱいに小麦生地を敷き、具を挟んで焼いた料理で、大きさは約40cm四方と巨大な食べ物です。このピロギを持ち運びやすく、食べやすく小さくしたものがピロシキだと言われています。
 主にウクライナ、ベラルーシ、ロシアなどで幅広く親しまれている惣菜パンで、500年以上も前から国民の食を支えてきたと言われているそうです。小麦粉を練った生地に色々な具材を包み、オーブンで焼くか、油で揚げて作ります。
 東ヨーロッパの方にとってピロシキは、日常生活はもちろん、結婚式やクリスマス、誕生日、葬式、宗教的行事など幅広い場面で食べられています。ロシアでは、街頭のあちこちでピロシキの出店を目にすることができるそうです。
 日本では揚げパンとして認知されていると思いますが、ロシアでは家庭料理でもあることから、オーブンで焼いて作る場合が殆どだそうです。具材も、家庭で余った食材を包み込んで作ることが多く、個々の家庭で作り方や味付けが異なるそうです。このため、お店で販売されているピロシキも定まった形はなく、色々な具材が使われているようです。昔は野菜や果物の他、アヒル、ガチョウ、ウサギの肉を詰めたものなどもあったようですが、ユーラシア大陸にジャガイモが根付いて以降、徐々に姿を消していったそうです。現在では肉や野菜以外にもキノコやレバー、卵などが入ったものがあり、多種多様なピロシキが販売されているようです。
 大きさは握りこぶしと同じくらいか、もう少し大きいくらいが多いですが、ロシアではアーモンド型が一般的なようです。日本では丸形や、ラグビーボールのような形などがあるようです。日本ではパンとして食事としてしか利用されていませんが、ロシアではコース料理の前菜であったり、惣菜であったり、時にはスイーツとして食べられるなど、バリエーションが豊かだそうです。
 具に春雨を入れる日本風ピロシキは1951年(昭和26年)創業の渋谷ロゴスキー、初代料理長、長屋美代(創業者、長屋緑の奥様)が考案したと言われています。戦時中に満州のロシア人街に住んでいた長屋夫妻が、幾度となく口にした本場のロシア料理の味を日本でも再現したいと考えたことがきっかけだそうです。
 試行錯誤の末、日本人の口に合うように考え出したピロシキが、春雨入りのピロシキです。春雨を入れたのは、肉や野菜から出る旨みのあるスープをパン生地に閉じ込めるための工夫であり、小麦粉によるとろみづけに代わる技法だったそうです。
 当時、ロゴスキーで提供するほか、料理レシピ本(柴田書店、「ロシア料理」、「標準ロシア料理」など)の販売や、ロシア料理講習会を全国各地で行って普及に尽力した結果、ピロシキも全国に広まっていったそうです。日本風ピロシキがカレーパン誕生のきっかけになったという説もあるそうです。