御節料理

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更新日:
 2020年11月8日



◎御節料理、おせち料理、お節料理(2010年1月2日)
 正月と言えば御節料理ですね。「おせち」とは本来、暦上の節句のことを指し、特に正月を指す訳ではありません。ひな祭りなどの五節句を祝うために神様に供えた食べ物のことを指し、「御節句(おせちく)」と呼ばれていたそうです。
 江戸時代に、この風習が庶民に広がり、1年の節目である正月に振る舞われる料理を「おせち料理」と呼ぶようになったそうです。お正月におせち料理を食べることによって、神さまと同じものを食べ、神様の力を分けていただくことができるという考えもあるそうです。
 毎日、食事を作ってくれる奥様も、正月だけはのんびりできるよう日持ちがする料理を中心に準備をしておくというのは、ある種、生活の知恵ですね。
 子供の頃は、美味しくないと思った料理もありましたが、それぞれの料理には五穀豊穣、子孫繁栄、健康長寿など、様々な願いが込められています。すなわち、縁起の良い食材が使われた縁起食、開運食とも言えます。
 お蔭様で、今では、それぞれの意味も考えつつ、美味しくいただいております。それぞれの意味というのも、こじつけが多いと思いますが、それも日本人ならではの遊び心ではないかと思います。せっかくですので、その意味をまとめておきましょう。
 また、おせち料理に使われる色彩にも意味があるそうです。赤は邪気を払う、白は神聖、黄色は黄金になぞらえて豊かな1年を願うなどです。



・海老:海老のヒゲが長く、腰が曲がっている形から老人を連想し、腰が曲がるまで長生きできるようにという長寿の願いが込められています。



・お多福豆:「阿多福」という字が当てられ、文字通り福を招く食べ物として、祝い膳に良く登場します。空豆の一種で、その形が、ふくよかな「お多福」の顔に似ているところから、この名前が付けられました。



・数の子:「二親」にも通じる「鰊(にしん)」の子です。卵の数が多いことから、両親が健在で子宝に恵まれて家が繁栄するようにとの願いが込められています。



・きんかんの甘煮:本来は「金柑」という字を書きますが、「金冠」という字が当てられることから、富に恵まれるようにと願掛けされ、御節料理に入れられることになったようです。



・きんとん:「金団」と書き、その色から黄金に見立て、財産、富を得る縁起物とされています。



・黒豆:「まめ」は、「丈夫、健康」を意味する言葉です。一年間、まめ(まじめ)に働き、まめ(健康的)に暮らせるようにとの願いが込められています。



・くわい:大きな芽が出ることから「めでたい」に通じる縁起物。ぐんぐん芽が伸びることから、「出世祈願」の意味もあります。



・紅白蒲鉾:「紅」は「目出度さ」と「喜び」を表し、「白」は「神聖」、「清浄」を表しています。おめでたい時に使う色使いです。



・紅白なます:「生」の魚介などを用いて大根、人参と「酢」で作ったことから、「なます」の名がつけられました。今は生の魚介の代わりに、干柿や昆布、柚子の千切りも用いられます。大根の医者いらず、といわれるように紅白の目出度い色合いばかりではなく、ビタミンCも豊富です。



・小肌粟漬:小肌はコノシロという魚の成魚になる前の名前です。出世魚なので、縁起が良い食べ物とされています。小肌粟漬は、小肌の切り身を蒸した粟と一緒に酢漬けにしたもので、粟はクチナシで鮮やかな黄色に染めています。粟は五穀豊穣を願ったものですが、防腐効果もあります。

・子持ち昆布:「子孫繁栄」の意味をもち、縁起の良い食べものされています。「昆布」が「喜ぶ」とかけられることから「子持ち昆布」は2つの意味でおめでたいとされています。



・昆布巻き:「コブ」を「喜ぶ」、「子生」と掛け、祝いの儀には欠かせない食材です。



・里芋:子芋がたくさん付くことから「子宝」、「子孫繁栄」の願いを込めています。



・酢蓮:レンコンの酢の物。蓮根は、沢山の穴が開いていることから、その穴から将来への見通しが開けると言われ、縁起物とされています。



・たたきごぼう:叩き牛蒡は、軟らかく煮たゴボウを叩き、身を開いて、開運の縁起をかついだ料理です。



・田作り:「五万米」と書いて「ごまめ」とも呼ばれ、片口鰯の稚魚を天日で干して醤油風味の飴炊きにした食べ物です。豊作を願って、小魚を肥料として田畑に撒いたことから、「田作り」と名付けられました。五穀豊穣を祈って食べる料理です。



・伊達巻:「伊達」とは「洒落者」という意味です。伊達巻の形が、大切に扱う巻物(書物)に似た形から、知識が増えるという願いも込められています。



・ちょろぎ:「長老喜」と書き、長寿を願う食べ物です。



・ブリの焼きもの:鰤は、ワカシ → イナダ → ワラサ(ツバス → ハマチ → メジロ)などと名前が変わる出世魚と呼ばれています。出世を祈願した料理です。