けんちん汁のお話

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更新日:
 2012年3月27日


◎けんちん汁(2012年3月27日)
 「けんちん汁」とは、「崩した豆腐と千切りにした大根、ゴボウ、芋などの野菜を油で炒めたものを入れたすまし汁」です。別名で「けんちゃん汁」と言われたり、「ケンチン汁」と表記されたりするようです。
 けんちん汁の「けんちん」とは、中国から伝えられた卓袱料理(しっぽくりょうり)の一つである「捲繊(巻繊(ケンチェン)、巻煎(ケンセン)」に由来するといわれているそうです。「繊」を「ちん」と読むのは唐音だそうです。
 この「巻繊」とは、「繊切りにした材料を巻いたもの」のことで、もともとは、「大根、ゴボウ、豆腐などを細切りにして油で炒め、湯葉や薄焼き卵で巻いて、揚げたり蒸したりしたもの」を意味するそうです。これが、日本では、その中身だけを取り入れた料理も「けんちん」と呼ばれるようになっていったようです。
 現在では「けんちん」といえば、「豆腐、ダイコン、ニンジン、キクラゲ、ゴボウなどを油で炒め、塩、醤油、酒などで調味したもの」を指し、「けんちん汁」は、「けんちんが入った汁物」のことを言います。
 「けんちん汁」の語源には、鎌倉の建長寺の開山であった蘭渓道隆(らんけいどうりゅう)が、崩れてしまった豆腐を野菜と煮込んで汁物を作ったことから、これを「建長寺汁」、「建長汁」と呼び、これが訛って「けんちん汁」になったという説もあります。しかしながら「建長」が「巻繊」に変化することはあり得ませんので、この説は後から作られた、似て非なるものだと思います。