カラスミのお話

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更新日:
 2002年8月27日


◎カラスミ(烏魚子、唐墨)(2002年8月10日)
 カラスミは日本の三大珍味の一つとされています。(日本の三代珍味とは、「カラスミ」、「うに」、「このわた」と言われています。)その形が唐の墨に似ているところから、カラスミ(唐墨)と呼ばれています。豊臣秀吉にも献上されていたようです。
 カラスミは、ボラの卵巣を塩干ししたものです。洗った卵巣に、15%~20%の食塩をこすり漬け、漬けたものを真水で塩抜きし、7~10日間天日乾燥させて作ります。冬場の台湾南部沖が、その漁場となっています。歴史も古く、17世紀にオランダ人が台湾南部に入植し、ボラの塩漬けを中国大陸に輸出し、さらにその卵巣を加工しはじめたのがカラスミのはじまりです。つまり、カラスミは台湾の歴史的な特産品と言ってもよいでしょう。
 収穫期は毎年1月から3月頃まで。それに年度によって豊漁であったりそうでなかったりもします。現在では入手しようと思えば年中お目にはかかれますが、なんと言っても収穫時期に捕れたものの方がお勧めです。中国文化圏ではカラスミの収穫期はちょうど正月にあたり、特に台湾ではおせち料理の一品にカラスミが食卓に登場することが多いようです。
 カラスミは季節もので大量収穫ができず、高価で、出荷量もその年の気候によって左右され、養殖の量も少ないのが現状です。近年、台湾の水産大学で養殖ボラの稚魚にある種の刺激を与え、オスをメス化することに成功し、すでに商業化の段階に入っています。ボラの養殖は世界でも珍しく、台湾はその研究の最も進んでいる国ですが、その養殖ボラをすべてメス化すれば、カラスミ生産という付加価値が格段に高まり、養殖にも一段とはずみがつきます。現在、メス化の成功率は90%以上で技術は安定している。これの商業化が進めば、季節には関係なく安定した量産ができ、成り行きが注目されています。
 カラスミは、そのまま食べる以外にも、軽く表面を火であぶって食べる方法や、大根、キュウリやネギの薄切りと一緒に食べる方法があります。もちろん、他の料理と合わせて使うこともできますし、現在では、いろいろな料理があります。
 台湾では、軽く表面を火であぶって、大根、キュウリやネギの薄切りと一緒に食べる方法が一般的です。台湾の夜市の屋台では、このような形態にしたカラスミを串に刺して売っていたりします。ただ、私は、はっきり言って、そのまま食べるのが一番美味しいと思います。旨味が凝縮されたコクのある味わいと、ねっとりした食感が非常に美味しいのです。酒の肴には、最高の一品です。(ちなみに、焼きすぎると、焼きタラコと同じ味になってしまいますので、注意が必要です。)
 台湾でカラスミを売っているお店の人に選ぶ時のポイントを聞いてみましたが、「大きいものが良い」とのことでした。色は、黄色っぽいものから、少し茶色がかったものまであって、色も関係ありそうなのですが、店の人は、「天然ものだから、色は色々!形も色々!関係ない!大きくて重い方が良い!」とだけ説明してくれました。色とか、形とかは、関係ないみたいです。卵巣ですから、大きく成長したものが良いといことでしょうか。
 台湾で購入したカラスミは、常温で1週間、冷蔵庫で1ヶ月、冷凍庫で半年は保存できるそうです。ただし、冷凍すると、水分が抜けるので、風味や旨みが抜けてしまいます。購入したら、常温で1週間以内に食べるのが良いでしょう。



 これが、カラスミを干しているところです。



 1つ1つは、こんな感じです。