じゅんさいのお話

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更新日:
 2012年6月2日


◎じゅんさい(2012年6月2日)
 ジュンサイは漢字で「蓴菜」と書き、学名はBrasenia schreberi、スイレン科 ジュンサイ属の多年生の水生植物です。浮葉植物で、スイレンなどと同じように葉を水面に浮かべる水草です。「蓴菜」の字が難しいため、「純菜」や「順才」の字があてられることもあります。
 澄んだ淡水の池や沼に自生しています。若芽の部分を食用にするため、栽培されている場合もあります。日本では北海道から九州、および南西諸島(種子島、沖縄島)に分布していますが、すでに絶滅した地域もあるようです。日本国外では、東南アジア、インド、アフリカ、オーストラリア、アメリカなどに広く分布しているそうです。
 葉は互生、楕円形で、長さ5~12mm、裏面は紫色です。葉柄は裏側の真ん中につく盾形で、ハスの葉と同じ付き方です。地下茎は水底の泥の中にありますが、そこから葉柄をのばすのではなく、茎が伸びて水面近くまで達します。秋に地下茎の一部は、養分を貯蔵して越冬用の殖芽となります。この茎から、まばらに葉柄をのばし、その先に葉をつけます。茎の先端の芽の部分や若葉の裏面は寒天質の粘液で厚く覆われ、ぬめりがあります。この寒天質で覆われた若芽は、日本料理で食材として珍重されています。
 生のジュンサイは6月から8月にかけて出回ります。このため初夏の珍味とされています。生じゅんさいは、めぬりが落ちないように注意して軽く水洗いし、その後、熱湯に入れて鮮やかな緑色になったら、すぐ氷水に入れて冷やし、さらにその後、ザルにあげて水切りをすれば食べられます。冷蔵庫での保管でも1週間程度、もつようです。通常、わさび醤油、酢醤油、ポン酢などと合わせて食べたり、吸い物などに利用されています。
 ジュンサイの歴史は古く、昔は「ぬなわ(沼縄)」と呼ばれていました。「古事記」や「万葉集」にも「蓴(ぬなわ)」として記されており、古事記では初夏の季語になっています。奈良時代から食用とされていたようで、湖沼に小船を浮かべてジュンサイを採る風景は、初夏の風物詩になっていました。
 昔は野生のものを採集していたようですが、江戸時代から栽培もはじめられたようです。現在では東北地方、特に秋田県が全国一の生産地になっています。
 ジュンサイの若芽にはビタミンが多く含まれ、ビタミンA、B1、B2、カロチン、ナトリウム、カリウム、鉄分、リン、タンパク質、脂質などが含まれています。
 袋やビン詰めにして市販されているものは、加工ジュンサイで、下処理の方法が異なります。ジュンサイをボールや鍋に開けて、水をたっぷり入れて酢ぬきをします。その後、ザルにあげて水切りをすれば食べられます。袋詰めは常温で6ヶ月程度、瓶詰めのものは常温で1年程度、保存できるようです。