春雨のお話

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更新日:
 2011年5月29日


◎春雨

 春雨は、中国をルーツとする乾麺で、朝鮮半島、日本、タイ、ベトナムなどアジア一帯に伝播しながら、それぞれの土地で採れる原材料を使って独自の変容をとげてきたそうです。
 中国では春雨の原材料として緑豆(りょくとう)が使われているようです。一方、朝鮮半島ではサツマイモ、日本ではジャガイモ、タイやベトナムでは米が多く使われているようです。その他にもトウモロコシ、タピオカ、ドングリ、葛などを使った春雨も作られているようです。
 春雨は、それぞれの原材料からとった澱粉で生地を作り、熱湯の中に押し出して作ります。熱湯の中で茹でられた春雨は、冷水でしめられた後、一度、冷凍します。この時、春雨の麺の中にある水分が凍結し、その後、天日乾燥させることによって、この水分が蒸発し、麺の中に気泡が発生します。春雨を料理した際、この気泡の中に煮汁や出汁が浸み込むため、美味しい春雨料理ができるのです。
 緑豆はインド原産の豆で、中国、インド、東南アジア、アフリカなど、様々な地域で食べられている小豆の仲間です。中国では、緑豆は、古くから漢方薬として利用されてきたそうです。緑豆の効能は、解熱、利尿、解毒などだそうです。炭水化物、カルシウム、カリウム、ビタミンB1などの栄養成分を含んでおり、疲労回復や 食欲不振時の栄養補給にも良いといわれているそうです。緑豆春雨の特徴は、ノド越しの良さ、コシの強さと、熱を加えても煮くずれしにくいという点です。このためサラダ、炒め物、煮物、スープ、鍋物など、様々な料理に利用されています。
 中国では「粉絲(フェンスー)」または「粉条(フェンティアオ)」と言うそうです。台湾では「冬粉」と書き、北京語で「ドンフェン」、台湾語で「タンフン」と呼ぶそうです。
 韓国では春雨のことを「唐麺(タンミョン)」と呼びます。これは、「唐(昔の中国)の麺(唐から来た麺)」、という意味だと思われます。緑豆やサツマイモ澱粉を原料として作った麺は、朝鮮半島でも古くから食べられてきたようですが、乾麺として商品化されるようになったのは、1912年に日本人が平壌に唐麺工場を作ったのが最初だといわれています。当初は、中国人から導入した技術をもとに、中国式の緑豆春雨を作っていたようですが、朝鮮半島ではサツマイモが多く採れたことから、次第にサツマイモ澱粉で作った春雨に変わっていったようです。
 現在、韓国で市販されている春雨は、サツマイモを原料としたものが主流です。日本の春雨よりも、太めで黒っぽく、弾力があるのが特徴です。韓国ではチャプチェ(春雨と野菜の炒め料理)、チムタッ(鶏肉、野菜と春雨を煮込んだ料理)などの他にも、鍋ものやスープなどに入れたり、マンドゥ(餃子)やスンデ(腸詰め)の具としても使われており、良く使われている食材の一つです。
 日本では、サラダや煮物に入れられたり、鍋料理などにも使われています。何故、日本で「春雨」と呼ばれるようになったかと言うと、春雨を天日乾燥させている時の様子が「春の雨」のように見えるから「春雨」と呼ばれるようになったようです。