富士宮やきそばのお話

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更新日:
 2013年9月2日


◎富士宮やきそば
 富士宮やきそばは、静岡県富士宮市で食べられている焼きそばです。「富士宮やきそば」の最大の特徴は、一般的に販売されている柔らかいやきそば麺とは違い、コシのある麺です。最初は、「なんだ?このいつもと違う麺は?」と感じた人も2度、3度と食べるうちに、コシのある麺の食感と独特の味付けが忘れられなくなります。
 一般的な焼きそばの麺は、小麦粉と水で練って、蒸した後、茹でます。一方、富士宮焼きそばの麺は、蒸した後、茹でずに急速に冷やし、油で表面をコーティングしています。このため、他の麺に比べて水分が少なくなり、独特のコシが生まれました。富士宮やきそばが作られ始めた終戦間もない頃は冷蔵技術が乏しかったので、日持ちや行商に対応させるため、このような製法が確立していったようです。
 この麺以外にも、他の焼きそばと異なる特長があります。「富士宮やきそば学会」によると、次の12の特徴があるそうです。

1. 市内にある4つの製麺業者の富士宮やきそば蒸し麺を使用している。
2. 炒めるための油としてラードを用いる。(天然素材の植物油を使う店もある。)
3. 焼きそばに加えるのが、ラードを絞った後の「肉かす」
4. 焼きそばの上に「イワシの削り粉(だし粉)」を振りかける。
5. キャベツは、富士宮の高原キャベツを使用する。
6. ソースの味や量については、各店でのこだわりがあるが、辛口ソースの店が多い。
7. 紅ショウガを添える店が多いが、店による。
8. トッピングはタコ、エビ、卵、肉、ホルモンなど各店で様々。
9. 水は、富士山の湧水を用いる。調理の際の水加減がコシの強さの重要なポイントである。
10. 厚くて大きい鉄板を用い、火力が強くなければおいしくない。
11. 店の主人が焼く店と客が焼く店があるが、初めての人は焼いてもらう方が良い。
12. 焼きそばを皿に盛って出す店や、熱い鉄板で温めながら食べるところがある。

 読んでみると、最初の4つと9番目の5項目が特徴のようです。まずは、上述したように麺ですね。富士宮市内に叶屋、曽我めん、木下製麺所、マルモ食品工業という製麺業者があるようです。麺は、この4社から購入することが基本のようです。製麺業者によって麺の太さやコーティングしている油の量が異なります。
 肉かすは、ラードを搾った後に残ったものを油で揚げたものだそうです。これが、富士宮焼きそばに美味しい味を加えてくれるようです。店によって適当な大きさに切って使うのですが、大きい場合は食感が楽しめ、細かい場合はにじみ出た油の旨みが味わえます。
 だし粉を焼きそばにかけるのが特徴ですが、ダシ粉とは、「イワシの削り粉」のことです。店によってはサバとイワシのミックスだったり、青海苔が入っていることもあります。
 キャベツは、富士宮の高原キャベツを使用するのが基本のようですが、水分が少なくて歯ごたえがよい「秋キャベツ」が良いようです。また、キャベツ以外にも、ネギやもやしを入れる店もあります。ソースも、数種類をミックスして独自の味を出している店が多いようです。
 富士宮やきそばは、1999年に富士宮市の町興しとして、古くから当地で食べられてきた「焼きそば」に着目し、「富士宮やきそば」として売り出したことがきっかけです。
B級グルメの人気を決めるB-1グランプリにおいて、第1回(2006年)と第2回(2007年)にゴールドクランプリに輝きました。
 現在、「富士宮やきそば」および「富士宮やきそば学会」は、「NPO法人まちづくりトップランナーふじのみや本舗」が所有する登録商標であり、名称を使用して販売するためには条件が定められています。
 富士宮やきそばを売る店は、お宮横丁など、富士宮市内に多く存在していますが、市外でも富士宮やきそばを提供する店が増えているそうです。富士宮市内では、それぞれ味にこだわりをもったたくさんのやきそば店がありますので、是非、本場で食べ比べをしてみると良いでしょう。