ハイカラ丼、たぬき丼、たぬき蕎麦、
ハイカラうどん、たぬきうどん

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更新日:
 2022年6月5日



◎たぬきうどん(2022年5月29日)
◎たぬき蕎麦(2022年5月29日)
◎たぬき丼(2022年5月29日)
◎ハイカラうどん(2022年5月29日)
◎ハイカラ丼(2022年5月29日)

 「ハイカラ丼」とは、天ぷらを揚げたときに出る天かす(揚げ玉)と青ネギを卵とダシでとじたものを丼御飯の上に乗せた料理です。お店によっては上品に蒲鉾やシイタケなどが入る場合もあるようですが、基本的には天かすとネギを玉子でとじたものが御飯の上に乗っています。野菜や魚介系など、色々な天ぷらの天かすが材料になっているため、お店や、時間帯によって、いろいろな味が染み出しているようで非常に美味しくて安いという庶民の味方の丼料理です。
 「ハイカラ丼」は大阪を中心とした関西地域で食べられている丼料理で、関東では、見たことがありません。これには理由があります。大阪では「天かす」のことを「ハイカラ」と呼んでいることから、大阪を中心とした地域で「ハイカラ丼」という名称で広まっているのです。
 では、関東地域では、この料理は無いのでしょうか。このような単純で、誰でも思いつきそうな料理で、かつ安く庶民の味方になりそうな料理、関東地域で生まれないはずがありません。実は、関東地域では、同じ料理が「たぬき丼」という名称で提供されています。天かすが乗った蕎麦は「タヌキ蕎麦」、うどんなら「タヌキうどん」ですから、当然、天かすがのった丼料理は「タヌキ丼」です。関東で天かすが「タヌキ」と呼ばれるようになったのは、「天ぷらの種がない」ことから、「種抜き」、「たねぬき」、「たぬき」となったと考えられており、天ぷらの種がないものが「たぬき」なのです。
 以上のことから、天かすが乗ったうどんは、関東では「たぬきうどん」で通じますが、関西では「ハイカラうどん」となります。関西にも「たぬきうどん」はあるようですが、関西での「たぬきうどん」は、地域によって違いがあるようです。
 京都では「たぬきうどん」というと、味つけのない短冊状の油揚げと九条ネギをうどんの上に乗せてあんかけをかけた料理だそうです。「きつねうどん」のだし汁が「ドロッとしたあんかけ」になった料理が「たぬきうどん」なのだそうです。これは、「きつね」が「ドロンと化けた = たぬきに化けた」ということから名付けられたそうです。また、あんかけは湯気が見えないものの、とても熱いことがあり、このことから「だます」、「化かす」ということで「たぬき」と呼ばれるようになったという説もあるようです。
 一方、大阪では「たぬき」というと「油揚げが乗った蕎麦」を指すのだそうです。「きつねうどん」はあるものの「きつね蕎麦」は無く、「たぬき蕎麦」はあっても「たぬきうどん」は無いそうです。これは「きつねがうどん」なら、「たぬきは蕎麦」という発想で、それぞれうどんと蕎麦に特化したという説が有力なようです。時代ははっきりしませんが、江戸時代後期から明治時代の頃のようです。
 関西で天かすが具に使われるようになったのは大正時代と考えられているそうです。関東では、もっと古くから食べられており、当時の関西の人は「捨ててもいいような天かすを具にするなんて、関東の人はハイカラやなあ」と皮肉をいったことから天かすのことを「ハイカラ」と呼ぶようになったという説があります。
 大阪で「たぬき = たぬき蕎麦」が先に広まっていたとすると、天かすの乗った丼料理を「たぬき丼」と呼ぶと「油揚げが乗った丼料理」と勘違いされてしまうため、区別するために「たぬき丼」と呼ばず、「ハイカラ丼」と呼ぶようになったのかもしれません。

・たぬき蕎麦(関東)



・たぬきうどん(関東)