カレー南蛮、南ばん

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更新日:
 2021年1月24日



◎カレー南蛮(2020年12月20日)
 「カレー南蛮」は、「カレーうどん」と同じ料理のように思われますが、生まれが異なる料理です。また、「カレーうどん」は、カレースープのうどんであれば「カレーうどん」ということになります。一方、「カレー南蛮」の「南蛮」とは、「ネギ」のことです。江戸時代に来日した南蛮人がネギを良く食べていたことから、江戸末期から明治時代には「ネギ」のことを「南蛮」と呼ぶようになっていたそうです。すなわち、カレー南蛮には「ネギ」が入っていなければいけません。
 「カレー南蛮」は、東京の中目黒駅から徒歩7分ほどの場所にある蕎麦屋「朝松庵(あさまつあん)」が発祥のお店とされています。「朝松庵」は「カレー南蛮」だけでなく、「カレー丼」も同時に生み出しました。
 「朝松庵」は、元々は1892年(明治25年)に大阪、谷町で「東京そば」として創業されました。カレー南ばん、カレー丼を生み出したのは、二代目の角田酉之助さんで、1908年(明治41年)のことだそうです。当時、急速に洋食が広まってきたので、角田酉之助さんは、この「洋食の味」を「蕎麦」に取り入れることを考えたそうです。研究を重ね、「カレー」を種として蕎麦、うどんにかけて「カレー南ばん」、御飯にかけて「カレー丼」として売り出したそうです。これが1908年(明治41年)の秋のことだったそうです。大阪で人気となり、大盛況となったことから、1910年(明治43年)に東京に進出し、店名を「朝松庵」にしたそうです。
 ただ、当時、東京では誰も知らない料理で、なかなか売れなかったようです。同業者に材料を持参し、宣伝したそうですが、老舗と言われる店では門前払いや追い払われてしまったそうです。しかし、根気よく宣伝を続けた結果、大正3~4年頃、ようやく業界にも認知されるようになり、相当数のお店が「カレー南蛮」、「カレー丼」をメニューに取り入れるようになり、世に広まっていったそうです。
 ちなみに「朝松庵」で「カレー南ばん」を注文すると、「蕎麦」か「うどん」か、聞かれるそうです。このことから、「カレーうどん」も「朝松庵」の発祥とする説もあるようですが、「カレーうどん」は、東京、早稲田の「三朝庵」の方が早く、こちらが発祥とされています。