コロッケのお話

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更新日:
 2001年2月27日


◎コロッケ(croquette)
 コロッケは、主に茹でたジャガイモを潰したものを主体として、俵型や小判型に丸め、小麦粉をつけた後、卵とパン粉を衣としてつけて、ラードや食用油で揚げた日本の洋食の一つです。挽肉や蟹肉などの魚介類や、タマネギのみじん切り等、野菜を加熱し、混ぜる場合が多いです。
 「コロッケ」の起源として有力なのは、フランス料理の「クロケット(croquette)」だと言われています。フランス料理のクロケットは、ホワイトソースのアパレイユ(ミンチにした魚肉やとり肉などとベシャメルソースを混ぜたもの)にパン粉をつけて調理した料理で、日本のクリームコロッケと同じような料理です。
 一方、オランダにも「クロケット(kroket)」と呼ばれる料理があります。こちらはホワイトソースでできたもののほかにも、ジャガイモで作られたものがあり、ジャガイモコロッケの起源ではないかとの説もあるようです。しかし、フランスからオランダにクロケットが伝播したのが1909年とされており、その後、オランダでの改良があった後、日本に伝わったとすると、日本のコロッケの粗とするには、普及時期が合わないため、信憑性が薄いと考えられています。
 コロッケが日本に入ったのは明治初期頃で、明治から大正にかけて家庭に普及していったようです。コロッケの作り方が文献に登場するのは1872年(明治5年)で、そこには現在のポテトコロッケの作り方が記されているようです。しかし、当時は、「コロッケ」という名称にはなっていなかったようです。
 「コロッケ」という名称が登場したのは1887年(明治20年)で、この年には、コロッケのレシピも紹介されているそうです。当時、外国から伝わってきた「クロケット」は、いわゆる「クリームコロッケ」を意味しており、現在の「ポテトコロッケ」が「コロッケ」として新しく誕生したのがこのころのようです。
 1895年(明治28年)の「女鑑」という書物には、コロッケとクロケットは、それぞれ別の料理として紹介されています。
 この「コロッケ」という名前が日本人に広く知られるようになったのは、1918年(大正7年)に全国的に大流行した通称、「コロッケの唄」のおかげのようです。それは、下記のような歌詞だったようです。

1. ワイフもらってうれしかったが いつも出てくるおかずがコロッケ
  きょうもコロッケ 明日もコロッケ これじゃ年がら年じゅう(ウィー)コロッケ

2. 亭主もらってうれしかったが いつもちょいと出りゃ めったにゃ帰らない
  きょうも帰らない 明日も帰らない これじゃ年がら年じゅう(エーッくやしい)留守居番

3. さいふ拾ってうれしかったが 開けてみたらば金貨がザクザク
  株を買おうか 土地を買おうか 思案最中に(ハッハッハッハクション)目がさめた

 ちなみに、この唄の正式な曲名は「コロッケー」で、「コロッケの唄」は通称のようです。この曲の作詞家は、益田太郎冠者という方で、本名は益田太郎、三井物産の創始者、男爵、益田孝の長男だそうです。
 この歌から、1918年には「コロッケ」は「ポテトコロッケ」のことを意味するようになっていたことが分かります。