コンビーフ(corned beef)

  メニュー

TOPページ 

観光地 

地域情報 

日本のホテル 

日本のニュース 

日本について 

美味しいもの 

海外事情 

海外のホテル 

食品の話 

雑学 

用語辞典 

リンク 


更新日:
 2024年3月31日



◎コンビーフ(2024年3月30日)
 コンビーフ(英語:corned beef)とは、牛肉を塩漬けにした食品です。日本では「コンビーフ」と聞くと、塩漬けの牛肉をほぐして牛脂で固めた缶詰を思い浮かべると思いますが、本来は船の長期航海や軍需品で使われる保存食料の塩蔵牛肉のことです。したがって欧米では缶詰や、ほぐした状態ではなく、ブロック肉であることが一般的です。「corned」とは、「岩塩を砕いた粒状の粗塩で肉を漬けること」を意味しているそうです。
 コンビーフの起源は18世紀のヨーロッパに遡るそうです。長期保存が可能であることから、航海の食料として重宝されたそうです。日本には明治時代に伝わり、戦時中の保存食としても利用されたそうです。
 日本ではコンビーフと言えば、台形の缶詰を思い浮かべると思います。この形のコンビーフ缶は、1870年代のアメリカで誕生したそうです。台形の缶に肉を詰めるようになったのは、面積が大きい側から狭い側に肉を詰めていくことによって缶の中の空気を抜き、肉の酸化を防ぎ、保存性を高める効果が期待されたからだそうです。
 日本では野崎産業(現、川商フーズ株式会社)が1948年(昭和23年)に国産コンビーフを瓶詰めで発売したのが最初です。当時、缶の製造に必要なブリキの供給が不十分な時勢であったため、コップ型のガラス瓶とブリキ製の蓋でできた「アンカー瓶」という容器に入れられて販売されました。また、当時は十分な冷蔵設備がなかったため、氷を入れた水槽を冷蔵庫代わりにして肉の塩漬け加工を行なっていたほか、瓶の殺菌も一つずつ金具で抑えて行っていたなど、その製造工程には多くの苦労があったそうです。
 そして1950年(昭和25年)に台形のコンビーフ缶を発売しました。ちなみに日本では、このコンビーフの台形の缶のことを、江戸時代の枕の形に似ていることから「枕缶」と呼びます。また、枕缶を開けるための専用の器具のことは「巻き取り鍵」と呼ばれます。
 製缶、脱気技術が向上したことによって台形でない缶に詰めても品質を保持できるようになり、川商フーズでは、1988年から丸型の缶を採用したコンビーフも販売していましたが、枕缶の人気が圧倒的に高いそうです。
 コンビーフは、選ばれた牛肉を塩漬けにして熟成させることから始まります。このプロセスで肉は柔らかくなり、風味が増します。コンビーフは赤みがかったピンク色をしており、独特の塩辛さと肉の旨味が特徴です。食感は柔らかく、繊維質の感じられるものから、ほろほろと崩れるタイプまであります。また、ビタミンB群や鉄分などの栄養素も含まれています。
 コンビーフは缶を開けた瞬間から食べることができます。そのままでも美味しいですが、加熱することでさらに風味が増し、様々な料理に活用できます。