あんかけスパ、あんかけスパゲッティ

  メニュー

TOPページ 

観光地 

地域情報 

日本のホテル 

日本のニュース 

日本について 

美味しいもの 

海外事情 

海外のホテル 

食品の話 

雑学 

用語辞典 

リンク 


更新日:
 2016年1月3日


◎あんかけスパ、あんかけスパゲッティ(2016年3月8日)
 「あんかけスパ」とは、軽く炒めた太目の麺に、少しスパイシーなソースがかかったスパゲッティです。あんかけスパゲッティは、1960年代に愛知県名古屋市で登場したスパゲッティ料理です。イタリアンのパスタとは全く別の食べ物です。茹でたスパゲティにソースを和えるイタリアのパスタとは異なり、あらかじめ茹で置きしておいた太いスパゲッティを、焼きそばのように、ラードや植物油で炒め、中華料理の餡のような粘性とコクのある辛味の効いたソースをかけた料理です。この辛味の元は、胡椒をたっぷりと使うためですが、味のベースはトマト味です。
 あんかけスパは、名古屋市中区栄にある「そ〜れ」というお店で山岡博氏が生み出した料理だそうです。
 「そ〜れ」は、山岡博氏が親せきと共同経営で1961年に開業したお店です。山岡博(横井博)氏(当時28歳)は、1959年(昭和34年)頃、丸栄ホテル(現:名古屋国際ホテル)で洋食の調理人として働いていたそうです。山岡(横井)氏は、当時、独立を目指して、いろいろな味の工夫に励んでいたそうです。
 そして1961年(昭和36年)に親戚と共同出資で、名古屋市東新町に「そーれ」というお店を開業しました。この店で山岡(横井)氏は、イタリア家庭料理のミートソースを名古屋の人たちの好みに合うように改良したソースを作って、麺にかけて提供したところ、好評を博し、次第に広がっていったようです。
 その後、1963年(昭和38年)に横井博氏(山岡博氏)が独立し、「スパゲッティ・ハウス ヨコイ」を立ち上げました。現在では、「そ〜れ」があんかけスパ発祥の店として知られています。ただ、当時は「あんかけスパ」という名称ではなく、「オリジナルミートソース」と呼ばれていたようです。
 「あんかけスパ」という名称は、1979年に名古屋の千種区本山に開業した「からめ亭」の店主だそうです。名古屋名物の「あんかけうどん」を見た「からめ亭」の店主、志智均氏が「あんかけスパゲッティ」と命名し、テレビ番組で発表したことから広まったようです。このため、「からめ亭」のHPには、「あんかけスパゲティー名づけ親」と書かれています。「あんかけスパ」という名称が広まっていったのは、1980年代のようです。
 あんかけスパは、普通のスパゲッティとは異なる点が多々、あります。いくつかの点を下記にまとめます。

1. 麺
 麺は、2.2mmという極太の麺が主流です。初めて食べた時、あまりの太さにびっくりしました。あんかけスパを生み出した山岡博(横井博)氏は、オリジナルのミートソースに合う麺として業者に2.2mmを作るよう依頼したそうです。茹でた後にラードで軽く炒めるため、麺が細いと切れてしまうので太い麺を選定したそうです。軽く炒める事によってソースの絡みを良くするそうです。
 また普通盛りだけでなく、1.2倍、1.5倍、2倍など、麺量を増やした注文ができることも特徴の1つです。(それぞれの実際の量や値段は見せによってまちまちです。)
 関東では、この太さのスパゲッティの麺は販売されていません。最大でも1.8mmくらいではないでしょうか。しかし、驚くことに名古屋市内のスーパーマーケットでは、ごく当たり前のように2.2mmの太さのスパゲッティが販売されていました。

2. ソース
 ソースは、各店、オリジナルのものになっていますので同じではないでしょう。ただ、ある程度の粘度があり、味はトマトベースのミートソースのような感じで、比較的スパイシーなことが多いようです。麺にからむようにとろみがついています。

3. 具
 ネーミングが独特です。肉(ウインナー、ハム、ベーコンなど)がメインの場合は「ミラネーゼ」あるいは「ミラネーズ」と呼ばれます。玉ネギ、ピーマン、トマト、マッシュルームなどの野菜類がメインの場合は「カントリー」と呼ばれます。肉と野菜の両方盛りは「ミラカン」(「ミラネーゼ」と「カントリー」のミックス)と呼ばれます。
 さらに魚介類のフライをトッピングしたものは「バイキング」と呼ばれています。これらのネーミングは名古屋独特のものだと思います。
 また、これら意外にもエビフライ、唐揚げ、ピカタ、オムレツ、ハンバーグなど、様々な種類の具をトッピングできることもあんかけスパの特徴だと言えます。