安倍川餅のお話

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更新日:
 2008年9月18日


◎安倍川餅(静岡)

 静岡市では、「安倍川餅」というお菓子が有名です。静岡では、単に「あべかわ」と呼ばれています。もちろん静岡市を流れている「安倍川」に由来する名前です。この安倍川餅が全国に知られるようになったのは、昭和25年3月17日に、旧国鉄の静岡駅で「やまだいち」の安倍川餅が販売され始めたことがきっかけのようです。
 その「やまだいち」によると、「安倍川餅」の由来は、以下のようです。徳川家康が天下の権を手中にした後、駿府城(静岡市)に在住し、井川(静岡市)の笹山金山や梅ヶ島(静岡市)の日影沢金山などを御用金山として、金鑛の採掘をさせていました。ある時、家康がこの金山を検分に出向いた際、ある男が餅をつき、豆の粉をまぶして献上したところ、大変美味しかったのだそうです。そこで、家康公が献上した男を呼び寄せて、この餅の製法を尋ねたところ、「この餅は、金山から産出し、安倍川へ流れる金の粉をすくいあげて、餅にまぶしてつくるので『金粉餅(きんこもち)』と申します」と答えたのだそうです。この回答をした男に、家康は褒美を与え、改めて、この餅を『安倍川餅』と命名したのだそうです。
 なかなかの歴史を持っているお菓子のようです。こんなお餅が徳川家康に繋がるとは思いもしませんでした。
 安倍川餅は、本来は黄粉だけのものでしたが、のちには餡のものも作るようになりました。安倍川畔で売られた餅は、一つの木盆に黄粉と餡の二種類を並べて盛った上へ砂糖をかけたものでした。昔は、同じ安倍川名産であった安倍川紙子に因んで「かみこ餅」とも呼ばれて、五個で五文の「五文採(ごもんどり)餅」でしたが、後に、一個五文で売られるようになりました。この「五文どり」は、東海道中膝栗毛にも登場しているそうです。
 「やまだいち」の安倍川餅は、お土産に持ってこいですが、静岡市には、「石部屋」というお店で作りたても安倍川餅を食べることができるそうです。