鯛めし、鯛飯、タイ飯

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更新日:
 2019年4月30日



◎鯛めし、鯛飯、タイ飯(2019年3月10日)
 「鯛めし(たいめし)」は、鯛と米飯を組み合わせた日本料理の一つです。一般的には「鯛めし」と言えば、炊き込み御飯風の料理を思い浮かべるかもしれませんが、「鯛めし」には2種類があります。
 「鯛めし」は愛媛県の郷土料理の1つとして知られていますが、地域によって大きく2つの種類に分けられます。今治市(東予)や松山市北条(中予)などで食べられている「鯛めし」は鯛を丸ごと一匹、土鍋や釜に入れて御飯と一緒に炊き込んだ料理ですが、宇和島市(南予)の「鯛めし」は鯛の刺身を特製のタレにつけ込み、薬味と一緒に混ぜたものを御飯の上にかけて食べる漁師料理です。

・東予、中予の鯛めし(今治市、松山市など)
 東予、中予の鯛めしは、松山市の北部に位置する北条地域の郷土料理として古くから伝わるため、「北条鯛めし」とも呼ばれるようです。「北条鯛めし」の起源はかなり古いといわれています。神功皇后が朝鮮出陣の際(200年頃)、戦勝祈願のため、現在の松山市にある鹿島明神に立ち寄った際、風早浦の漁民達は近海で漁獲した新鮮な鯛を献上したそうです。皇后は吉兆として快く受け入れられ、その鯛を載せて御飯を炊いたところ、非常に喜ばれ、美味しいと賞賛されたそうです。この料理が、「鯛めし」の起源とされています。これが「北条鯛めし」の起源として言い伝えられ、北条地域の名物として知られるようになったそうです。そのため北条では、昔から祝い事の時に食べられてきたそうです。
 伝統の「北条鯛めし」は土鍋や御釜に入れたお米の上にウロコ、内臓を取った新鮮な鯛を丸ごと一匹、乗せて炊き込んだ料理です。塩、醤油、出汁昆布を入れるだけで、ゴボウやニンジンなどの野菜や揚げなどは入れません。炊き上がったら鯛の身をほぐし、あつあつご飯と混ぜ合わせて食べます。鯛の旨味がしっかりとしみ込んだ「鯛めし」は絶品です。「北条鯛めし」は、創業150年以上の歴史を持つ老舗など、北条地域の店舗で食べられるだけでなく、松山市、今治市でも食べることができるお店がたくさんあります。



 一人用だと、鯛は乗っていないです。



・南予の鯛めし(宇和島市など)
 南予の鯛めしは、日振島(ひぶりじま)を根拠地にしていた伊予水軍が考え出したとされています。船上で魚をつまみに酒盛りをしていた際、茶碗に御飯をよそい、醤油と刺身を混ぜ合わせて食べたのがはじまりと言われています。もともとは鯛に限らず、赤身魚やアジの刺身などを御飯の上に載せて食べる漁師料理で「ひゅうがめし」と呼ばれていたそうです。この「ひゅうが」は「日振島(ひぶりじま)」が訛ったとされています。
 元々は宇和島市の一部に伝わっていた家庭料理だったようです。昭和50年代に、当時の津島町(現、宇和島市)に「六宝」という名称でひゅうが飯を出す店が現れ、他地域の人々にも知られるようになったようです。その後「刺身を乗せる鯛めし」は、松山市など宇和島市以外の愛媛県内に広がり、やがて南予地方の名物とされるようになっていったそうです。
 昭和60年代には「鯛めし(ひゅうがめし)」と記載する例が多かったようですが、やがて「鯛めし」の名称に統一されていったそうです。
 2007年(平成19年)に「宇和島」の地名を冠した「宇和島鯛めし」として農林水産省の「郷土料理百選」に選ばれました。そこで、地元の飲食店などでつくる「宇和島鯛めし協同組合」が地域団体商標を登録(登録第5916011号)しています。
 宇和島鯛めしは、①生玉子が入った醤油ダレをよくかきまぜる。②醤油ダレの中に鯛の刺身と海藻、薬味を入れる。③あたたかい御飯をお茶碗に盛る。④醤油ダレから鯛の刺身などの具をとりだし、御飯の上に乗せる。⑤その上から、醤油ダレを加減しながらトロトロとかける。⑥最後にきざみ海苔を盛りつける。という手順でいただきます。

 定食だと、こんな感じで提供されます。



 鯛の刺身です。



 こんな風にしていただきます。