まんばのけんちゃん

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更新日:
 2019年4月30日


◎まんばのけんちゃん、万葉のけんちゃん、マンバのけんちゃん、百貫の雪花、ヒャッカの雪花、ひゃっかの雪花(2019年3月30日)
 「まんばのけんちゃん」とは香川県の郷土料理です。人の愛称のような名前ですが、香川県では誰もが一度は食べたことがある「おふくろの味」なのだそうです。
 「まんば」とは、アブラナ科カラシナ類に属する「高菜(タカナ)」の一種です。漢字では「万葉」と書き、野菜の育ちにくい冬の時期に芽をふく冬の野菜です。万葉は、1つの株から80枚くらいの大きな葉が採れます。濃い紫色の混じった葉が大きく育つと、株ごと収穫せずに外側の大きな葉から手で一枚一枚収穫し、中央部の小さな葉は残しておくそうです。中央部の葉がまた大きくなったら、再び同じ要領で収穫します。一つの株から何回も収穫できるので「まんば(万葉)」と言われるようになったそうです。11月から4月頃までという長期間にわたって収穫することができます。
 「まんばのけんちゃん」とは、冬が旬の高菜の一種である「まんば」を下ゆでした後、約1日、水にさらして十分アクを抜いてから一口大に切ります。水気を軽く絞った後、一口大に切った豆腐、油揚げ、いりこなどを入れ、醤油、出汁汁と煮物にした料理です。
 「けんちゃん」とは、卓袱料理(しっぽくりょうり)の「野菜と豆腐を合わせて炒め煮」にした「けんちん」料理が訛ったものとされています。ただ、「まんばのけんちゃん」という呼び方は高松市を含む香川県東部の東讃地方の呼び名だそうです。場所によっては単に「まんばの炊いたん(まんばの煮物)」と言われることもあるようです。
 香川県西部の西讃地方では「万葉」のことを「百貫(ひゃっか)」と呼ぶそうです。このため、西讃地方では「まんばのけんちゃん」のことを「ひゃっか(百貫)の雪花」と呼ぶそうです。これは、崩した豆腐の形が、雪の花のように見えるということから、この名前がついたそうです。
 「万葉」は、様々な土壌に適応し、とても育てやすいことから、香川県全域で栽培されており、そのほとんどが県内で食べられている伝統野菜です。江戸時代に作られていた「讃岐高菜」が起源のようですが、現在ではその血統は途絶え、「三池高菜」が香川県全域で栽培されています。「讃岐高菜」は色が濃く、アクも強かったようですが、現在の「三池高菜」は、それほどアクも出ないそうです。
 万葉は、12月の収穫し始めの頃は、あまり美味しくないのだそうです。マンバは霜に遭うと葉先が紫色に変色します。2、3度、霜に当たると葉が柔らかくなり、甘みも増して美味しくなるそうです。