シャンゴ

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更新日:
 2021年11月28日



◎シャンゴ(2021年11月26日)
 シャンゴは、1968年(昭和43年)に創業した老舗のイタリアン・レストランです。創業者の関崎省一郎氏は東京都内や静岡県のホテル、レストランで洋食の修行をした後、出身地の高崎に戻り、1968年に最初の店を請地町に開店しました。開業当時は、まだイタリア料理が一般化しておらず、メニューにはカレーなどの洋食もあり、パスタの種類も少なかったそうです。当時の高崎市は人口が約22万人という田舎で、関崎省一郎氏は店を経営していけるか、不安だったそうです。当時、高崎市内でスパゲティを出していたお店は、連雀町にあったレストラン「かもしか(二代目が2018年9月末、閉店)」とシャンゴしかなかったそうです。また、スパゲッティと言えばミートソースとナポリタンしかなかった時代だそうです。
 関崎省一郎氏は1939年(昭和14年)生まれで、小学校1年生で終戦を迎えたそうです。戦中戦後の食糧難を経験したことから、「美味しいものをお腹いっぱい食べて欲しい」という思いで、他店よりもパスタの量を多くして提供したそうです。現在はSサイズで150g、Mサイズが200g、Lサイズは250g、LLサイズは300gで、いずれも乾麺での重量です。
 お店のあった場所が区画整理の対象となったため、1972年(昭和47年)に現在の問屋町に移転しました。この時、モータリゼーションの時代が来ると考え、大きな駐車場を作ったそうです。また店舗はオープンキッチンで、丈の高いシェフハットにコックコート、ソムリエエプロンを身に着けた料理人たちの働く姿が斬新で活気があったそうです。
 また、関崎さんの元で修業して独立したお弟子さんは10名以上いるそうです。このため、高崎市内にはパスタを扱う店が増えていき、弟子の多さから、当時「シャンゴ学校」と呼ばれるようになっていたそうです。このため群馬県では、このシャンゴの麺の量が一般的になっているようです。
 シャンゴ(Shango)という店名は、ナイジェリアのヨルバ人に伝わる神様の名前から採ったそうです。シャンゴは元々、ヨルバ族の最強最大のオヨ王国(Oyo)の第3代国王だったそうです。医師で戦士で、オヨ王国の版図を最大に広げた偉大な王であると同時に暴君だったそうです。シャンゴは、強大になり過ぎた2人の武将を戦わせて共倒れさせようと企んだものの、生き残った方が勢いをかって、王権を奪いに来たそうです。シャンゴは防戦したものの、日頃の行いから民の支持が得られず、森に逃げ込んだ末に自殺したそうです。シャンゴの死後、祟りが発生したため、人々はシャンゴの霊をなだめようと神として祀り上げ、自然を統御し、報復的な正義、そして激情を司る神として崇めるようになったそうです。関崎省一郎氏が店名をどうするか悩んでいた時、たまたまその神様の話を聞いて、「この店も群馬に根付いて、お客さんの食文化に潤いを与えるような存在になりたい」という想いから命名したのだそうです。
 2011年8月には、創業者の息子である関崎晴五(せきざきせいご)氏が2代目の社長に就任し、お店を切り盛りしています。関崎晴五氏は高校卒業とともに料理人の道に進みました。本場イタリアや東京で修行した後、20代後半に群馬に帰省し、シャンゴのシェフになりました。2代目オーナーとなった現在は、店舗経営をしながらシャンゴ問屋町本店で日々、腕を奮っています。
 お店は赤いレンガの壁が印象的な外観で、中に入ると白を基調とした広々とした空間です。関崎省一郎氏は絵が大好きだったそうで、シャンゴの壁にはたくさんの絵画が飾られています。店内では、クラシカルなテーブル席でゆっくりとくつろぐことができます。
 シャンゴのメニューは70種類を超え、肉料理、魚料理、ピッツァやグラタンなどのイタリア料理を楽しむことができます。パスタのグランドメニューは、33種類もあるそうです。そのパスタの中で一番人気は、シャンゴのオリジナル料理、「シャンゴ風」です。「シャンゴ風」は、「トンカツが乗ったミートソースのパスタ」です。パスタの上に群馬県特産の上州麦豚のトンカツを乗せ、その上にシャンゴオリジナルのミートソースをたっぷりかけた1品です。関崎省一郎氏が「パスタをカツカレーのように食べたら面白いんじゃないか」と考えて作ったメニューだそうです。ミートソースは濃厚なデミグラスソース仕立てで、八丁味噌のような芳醇さと甘さを感じますが、味噌は一切使っていないそうです。
 また、ミートソースのレシピは、創業当時から一切変えていないそうです。お肉は粗めの国産挽肉なので、お肉感があるミートソースです。現在でも、関崎省一郎氏が作ったコンセプトを守りながら、丁寧に作っているそうです。ロースカツは高温で素早く揚げることで、サクッとした食感が楽しめるようになっています。ただ、薄いカツですので、トンカツ屋さんの豚カツとは違うかもしれません。
 女性に人気のメニューは「ベスビオ」だそうです。「ベスビオ」は、トマトソースをベースにエビ、イカ、ムール貝などの魚介類とニンニクが入っていて、唐辛子を効かせたピリ辛で濃厚な味わいが特長のパスタです。関崎省一郎氏が辛口ラーメンから着想を得てペスカトーレを辛口にアレンジしたのだそうです。ベスビオ(Vesuvio)とは、イタリアのカンパニア州にある火山の名前です。中央に乗せたムール貝で、火山が噴火しているところを表現しているそうです。この「ベスビオ・スパゲッティ」は群馬県内に広がっていったため、群馬県内では多くのお店で食べられるほど知名度が高いそうです。
 また、ボンゴレのスープ・スパゲティも関崎省一郎氏が生み出した料理だそうです。ボンゴレ(vongole)はアサリなどの二枚貝を使ったイタリアのパスタ料理ですが、ボンゴレを作った時、アサリの茹で汁を捨てていたのがもったいないと考え、スープにすることを考えたそうです。関崎省一郎氏が生み出した「ボンゴレのスープパスタ」は日本中に広がりましたので、日本のパスタ料理の発展に大きく貢献したことになります。
 シャンゴは1972年(昭和47年)には会社組織にしており、「シャンゴ株式会社(創業:1972年(昭和47年)、資本金:1000万円、代表取締役:関ア晴五)が運営しています。2021年11月現在、問屋町本店、問屋町支店、倉賀野バイパス店、前橋石倉店、伊勢崎店、前橋南店、東部バイパス店、DUE伊勢崎店の8店舗を展開しています。







・シャンゴ風







・ベスビオ





・シャンゴ 問屋町本店
 住所:群馬県高崎市問屋町1-10-24
 TEL:027-361-5269
 営業時間:11:00〜21:30
 定休日:月曜日
 駐車場:有(31台)
 アクセス:JR、上越線、高碕問屋町駅、西口から徒歩約15分
 カード:不可
 席数:57席
 オープン日:1968年