福砂屋

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更新日:
 2021年1月31日



◎福砂屋(2020年12月20日)

 福砂屋は1624年、江戸時代、寛永元年に創業したカステラで有名なお店です。創業当時、大店(おおだな)と呼ばれる貿易商のほとんどは、今で謂う商社のように、多品目を幅広く扱っており、福砂屋も砂糖、米など、様々な品目を扱っていたお店だったそうです。当時、砂糖は中国の福州が一大産地で、福州船と呼ばれていた船で長崎に運ばれていました。福砂屋は砂糖を扱っていたことから、「福州」の「福」と「砂糖」の「砂」を屋号にしたと考えられているそうです。
 カステラの製法は、ポルトガル人から伝授されたそうです。その原名は「カストルボル」だそうです。「カストル」とはスペインの州名、「ボル」は「菓子」の意味で、「カストルのお菓子」という意味だったようです。小麦粉、砂糖、卵の3種類の材料を同量、混ぜ合わせて、蒸し焼き鍋(形は長方形、丸形の2種類)に入れ、蓋をして火で上下から焼くという製法だったようです。
 その後、時代の変遷に伴い、素材の配合や甘味料などが徐々に変化していったそうです。ただ、福砂屋では全ての工場で卵の手割りから泡立て、混合、撹拌、釜入れ、焼き上げまで、1人の職人が一貫して責任を持ち、ミキサーを使わない職人による熟練の「手わざ」を守り続けているそうです。福砂屋の製法は、@白身を撹拌する(別立法)、A黄身とザラメ糖を加えて撹拌する、B上白糖を加えて撹拌、その後、水飴(米飴)を加えて攪拌する、C小麦粉を加えて混合撹拌する、D紙を敷いた木枠に生地を流し込む、E焼き、F熟成(焼き上げたカステラを板に乗せ、温度、湿度が管理された製品倉庫で一昼夜成熟させ、甘みの戻りと呼んでいる、さらに甘みとコクを引き出す工程)、G検査、H包装、だそうです。季節や天候に合わせた生地作りが最も重要で、普通の菓子類と異なり、焼き立てのカステラはそれほど美味しくないそうです。
 福砂屋は創業当時、引地町に店舗を構えていたそうですが、1770年代、6代目、市良次の頃、現在の船大工町に移転したそうです。また福砂屋では、初代以来「福」の字を登録商標としていましたが12代目、清太郎は明治時代に入り、新しい時代にふさわしいようにと「蝙蝠」を商標にしました。蝙蝠は、中国では桃と並んで慶事、幸運の印として尊重されているそうです。
 第二次世界大戦の戦中、戦後の期間、カステラが作れなかったそうです。原料の卵、小麦粉などが手に入らなかったため、1940年頃から終戦までは軍事物資である乾パンの製造をしていたそうです。
 カステラの製造が再開されたのは1949年(昭和24年)、天皇陛下が長崎に御臨幸された折にカステラを献上することになった時だそうです。まだ物資が乏しい時代で材料が揃わず、卵と砂糖の調達には長崎県の尽力があり、戦後第1号のカステラを焼き上げることができたそうです。