天下一品

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更新日:
 2020年12月30日



◎天下一品(2020年12月20日)
 「天下一品」は京都が発祥のラーメンのチェーン店です。「天一(てんいち)」という愛称で呼ばれることが多いお店です。独特のこってり、ドロッとしたスープが特徴のラーメンです。株式会社天一食品商事(本社:滋賀県大津市、設立:1981年(昭和56年)11月16日、資本金:1,000万円、代表取締役会長:木村勉、代表取締役社長:木村一仁)が運営しており、2020年12月現在、234店舗があります。また別会社として、株式会社天下一品(本社:京都府京都市、設立:1979年12月、資本金:1,000万円、代表取締役会長:木村勉、代表取締役社長:木村一仁)という会社があり、こちらは直営店舗の運営を担当しているようです。
 創業者の木村勉氏は1971年(昭和46年)、36歳の時、3ヶ月分の給料が未払いのまま、それまで15年間勤めていた会社(画廊)が倒産してしまったそうです。持ち金は3万7千円しかなく、拾い集めた廃材を板金職人の友人に組み立ててもらって屋台を作り、ラーメン屋を始めることを決めたそうです。しかし、肝心のスープを炊くための鍋を買う金がなく、ガソリンスタンドに置いてあったペール缶をニオイがとれるまで何度も洗っては煮沸を繰り返し、鍋の代わりにしたそうです。ラーメンのスープの作り方を知らなかったため、知人の中国人の御爺さんに「鶏ガラベースの醤油味のスープ」の作り方を教えてもらったそうです。
 屋台営業の初日、最初のお客さんは中年の男性だったそうです。この日、1日で売れたのは11杯、990円だったそうです。普通のサラリーマン並の収入を得るには1日に100杯が必要だったそうですが、とてもそんなに売れる状態ではなかったそうです。
 食材を仕入れる金も不足し、身の回りのものを質屋に入れて食材を買っていたそうです。しかし、質に入れるものも無くなっていき、最後に布団を持って行った時、質屋の主人が「布団はええから金貸すわ」と言ってくれたそうです。
 また、屋台で商売を始めると直ぐに数人の男が現れ「ショバ代払え!」と脅かされたそうです。「お前らに払う金があったら客にチャーシューつけるわい!」と断ると、殴られ、屋台も壊された。何度も同じような嫌がらせをされたそうですが、包帯を巻きながらも商売を続けたそうです。そんなことを繰り返すうち、「こんな奴相手にしても金にならん!」と諦めてくれた様だ、と木村勉氏は話しているそうです。
 屋台を引きながら、お客さんが来てくれる味とは何か、と考え続けていたそうです。どこにでもあるラーメンではお客さんはどこかに行ってしまうため、どこにもないスープを開発したいとの思いを強くしたそうです。また、決まった場所で商売がしたいとも考えていたそうです。そんな時、ある地主さんの厚意で空き地を借りることができたそうです。この場所は、現在、天下一品総本店のあるビルが建っている場所だそうです。この頃、屋台の横に営業用の鍋とは別の鍋を準備し、新しいスープの開発も始めたそうです。
 当時、木村勉氏は、九州ラーメンに代表される豚骨スープに注目していたそうです。豚骨独自のコクと旨みは必要不可欠だが、豚特有のニオイが気にいらなかったそうです。そこで、鶏ガラをベースに豚骨スープのようなコクと旨みが出せないものかと、試行錯誤を繰り返していったそうです。
 スープの味を改良していくとお客さんの数も少しずつ増えていき、手ごたえを感じていたそうです。スープの開発を続けること3年、ようやく「究極のコッテリスープ」が完成したそうです。しかし、そのスープは屋台の火力と設備では20杯分しか作れなかったため、「早く設備の整った店を構えてお客さんにこのスープを味わってもらいたい。」と考えていたそうです。
 お店の開店資金が貯まりつつあった頃、奥さんが子供を連れて出て行ってしまったそうです。毎日、朝方まで仕事、自宅に帰ってもラーメンの研究に没頭する日々で、愛想を尽かされてしまったようです。これにより、せっかく貯めた開店資金は全て養育費に消えてしまい、また元の無一文になってしまったそうです。
 不幸の連鎖というものがあるのか、そんな頃、屋台を出している空き地にビルが建つとの噂が流れたそうです。とうとう同じ場所に屋台を出すことができなくなり、放浪の日々が始まるのかと不安になっていたところ、地主さんが「何をいうてんのや。1階はあんたに商売させるつもりやで!」と言ってくれたそうです。木村勉氏が、「実は開業資金が無くて」と事情を話すと、「そんなもんはどうでもエエ!」と木村勉氏を銀行に連れていき、「わしの土地を担保にして、この男に金をかしたってくれ!」と言ってくれたそうです。
 こうして、屋台を引き始めてから4年後、1975年8月に京都市左京区一乗寺に初の店舗(現在の「本店」)を構えることができました。木村勉氏は、屋台の設備では作れなかった「究極のこってりスープ」を仕込みれ、初めて世に出し、最初に食べたお客さんの反応が忘れられないそうです。「何や、何が入ってんにゃ?何のスープなん?うますぎる!」と言われたそうです。また、あるお客さんはパンで鉢を綺麗に拭いて完食してくれたそうです。噂は瞬く間に京都中に広がり、20坪の店舗でありながら、平日で1日1000杯、日曜、祝日は1800杯を売り上げ、連日、長蛇の列が出来る大繁盛店になったそうです。
 木村勉氏は、この独特のスープについて「このコクは、何と何を入れたから出るというもんでもないんです。」と語っています。使っている食材は鶏ガラや野菜など、ごく普通のものですが、鶏ガラと野菜等をふんだんに使い、手間ひまかけて煮出し、余分な力を一切加えず、自然にわきでた旨味が凝縮されたコクと深みを極めたものだそうです。木村勉氏は、「大量の鶏がらや野菜などを煮込んでいる。ようけ入れたらいいもんではなく、大事なのはタイミングと量。レシピを知っているのは社内でも数人だけ。」と説明しています。このスープをどこまでも守りぬくことが天下一品のこだわりだそうです。



・こってり



・炒飯



・餃子



・天下一品 本店
 住所:京都府京都市左京区一乗寺築田町94 メゾン白川1F
 TEL:075-722-0955
 営業時間:11:00〜翌3:00
 定休日:1月1日
 駐車場:有(22台)
 アクセス:叡山電鉄、叡山線、茶山駅から徒歩約10分
 カード:不可
 席数:35席
 オープン日:1971年