千寿

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更新日:
 2015年12月30日



◎千寿(2015年12月27日)
 千寿は、名古屋めしとして知られている「天むす」を生み出したお店です。現在は、「天むす」の専門店となっていますが、創業当初は、天ぷら定食店だったそうです。
 戦後間もない頃、1957年頃、三重県津市の繁華街の一角、大門・伏見通りに店を構えた「千寿」は、天ぷら定食のお店でした。創業者の水谷ヨネ氏が忙しくて、昼食を作る暇もなかったため、せめて夫には栄養のあるものを食べさせたいと思い、車海老の天ぷらを切っておむすびの中に入れて出したところ、「意外と美味しい」と喜ばれたそうです。
 そこで常連客に味見をしてもらいながら、いろいろと改良を重ね、昭和30年代前半に商品化し、現在の天むすが完成したそうです。
 通常のおにぎりより小さなサイズは、料理の一品として食べてほしいという意図があったためだそうです。また、最初は大きなエビを切って入れていたのですが、現在では食べやすいように小ぶりなエビを使用しています。
 おむすびに撒いている海苔の形も独特です。1959年、「世紀のご成婚」と言われた今上陛下と皇后美智子様の御結婚は「ミッチーブーム」と呼ばれる社会現象を巻き起こしました。そのブームの1つに美智子様がされていた独特のストールの巻き方がありました。その巻き方に感銘を受けた初代、水谷ヨネは、その巻き方をヒントに「真中でななめに折る」海苔の巻き方を始めたのだそうです。
 天むすは、調理がシンプルなだけに、徹底して素材にこだわっており、米は冷めても味が落ちない粒がしっかりとしたものを厳選しているそうです。海苔には、色つやと香りのよい三重県大淀産のもののみを使っています。また、付け合わせは沢庵や漬物ではなく、きゃらぶきです。これは初代水谷ヨネの旦那さんが、沢庵が苦手で、きゃらぶきを好んで食べたからだそうです。現在では国内産の高級ふきを丁寧に味付けして初代の頃、そのままの味を守っているそうです。
 中に入れるエビは、1年を通じて生エビにこだわり、甘みの強いアカシャエビ(シロエビやアカエビなどの小型のエビ)などを中心に使用しているそうです。塩気のある衣が、絶妙な味わいを醸し出しており、御飯と合わさって1つのハーモニーを生み出しています。
 現在でも注文が入ってから1つずつ手作りしています。食べる人のことを考えて、というひたむきな姿勢が、時代を超えて愛され続ける理由かもしれません。
 「千寿」では、天むすを「めいふつ天むす」として商標登録しています。何故、「名物(めいぶつ)」ではなく、「めいふつ」なのか、という疑問がありますが、これも初代水谷ヨネの発案なのだそうです。当初、夫のための賄い料理として誕生し、常連客向けの裏メニューとしてふるまわれていた天むすですが、あまりの評判の良さに「天むす」専門店にすることを考えたそうです。水谷ヨネは、「必ず、これを名物に育てる」という決意を込めて、あえて濁点をとり、「めいふつ」と名付けだそうです。
 夕方、お店に入ったので、2人で5個で十分だと思ったのですが、「1人前5個から」と言われてしまい、結局2人で10個(二人前)を注文しました。しかし、小ぶりな大きさ、シンプルですが素朴な美味しさで、結局、二人とも食べきってしまいました。簡単な料理だと思いますが、日本人の口に合うソウルフードと言った感じがしました。







     これが1人前(5個)です。



     中には海老が入っています!

・千寿
 住所:三重県津市大門9-7
 TEL:059-228-6798
 営業時間:9:30〜17:30
 定休日:日曜日、第3月曜日
 駐車場:有
 アクセス:JR、津駅から徒歩25分