とんかつ 和幸

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更新日:
 2020年8月23日



◎とんかつ 和幸(2020年6月25日)
 「とんかつ 和幸」は、豚カツのチェーン店です。ただ、同じ「とんかつ和幸」という名前のついた豚カツチェーン店は、3つの会社が別々に経営しています。1社目は神奈川県川崎市に本社がある和幸商事株式会社(設立:1958年10月、代表:日比生泰宏(ひびお・やすひろ)、資本金:2,000万円)が運営しており、「とんかつ和幸」の店名で展開しています。2社目は、東京都目黒区に本社がある協和株式会社(設立:1950年8月、代表:名和公平)で、こちらも「とんかつ和幸」の店名で展開しています。3社目は、東京都板橋区に本社がある和幸株式会社(設立:1976年5月、代表:稲葉浩三、資本金:5,000万円)で、こちらは「とんかついなば和幸」あるいは「とんかついな葉」の店名で展開しています。
 和幸商事と協和は、いずれも全く同じ「とんかつ和幸」と名乗っているので、区別がつきません。和幸商事は黒い四角の中に黒い平仮名で「とんかつ」と書いたマーク、協和は、緑色の双葉の上に緑色の鳥が左を向いているマーク、というマークで区別をするしかありません。
 そもそも「とんかつ和幸」は、和幸商事と協和のそれぞれの創業者が知人同士で共同で始めた事業のようです。協和株式会社の設立の方が1950年8月と古いので、最初、協和株式会社が、東京都中央区銀座にあった数寄屋橋ショッピングセンター内で「ステーションパーラー」という喫茶店を経営していたようです。この経営者が協和株式会社の「名和幸夫」氏と、後に和幸商事を設立する「日比生一虎」氏で、共同経営とのことです。
 1958年(昭和33年)10月、日比生一虎氏は、和幸商事株式会社を設立し、JR、川崎駅前にあった駅ビルの地下(現在のアトレ川崎)に「とんかつ 和幸」を開業しました。この時、「和幸」と名付けたのは、当時、創業者である日比生一虎氏は元新聞記者で、「日比生和夫」というペンネームで執筆活動を行っており、この「和」と協和株式会社の「名和幸夫」氏の「幸」を合わせて「和幸」としたそうです。当然ですが、日比生一虎氏は名和幸夫氏と話をして、許諾を得て名付けています。
 一方、協和株式会社の名和氏は、1958年(昭和33年)11月に数寄屋橋ショッピングセンター内にあった「ステーションパーラー」を「キッチン喫茶和幸」に店名を変更し、さらに1960年(昭和35年)に和幸商事との協議の末、「キッチン喫茶和幸」を「とんかつ和幸」に店名変更し、業態もとんかつ屋さんに変更しました。
 3社目の和幸株式会社は、1976年(昭和51年)5月、名和幸夫氏の義弟である協和株式会社の役員であった稲葉武氏が、協和株式会社から独立し、和幸株式会社を設立しました。そして1976年(昭和51年)9月に小田急百貨店、町田店のレストラン街に「とんかつ和幸 町田小田急店」を開店したのが最初です。和幸株式会社は、「とんかつ いなば和幸」あるいは「とんかつ いな葉」の店名によって、2社とは別の名称、系列であることを表しているようです。
 「とんかつ 和幸」に関しては、協和の情報が無いため、和幸商事の歴史を下記にまとめます。和幸商事の「とんかつ 和幸」は、現在のトンカツ屋さんで常識となっている色々なことを開拓、開発してきたようです。
 創業当初、2年くらいは、来客も少なく、鳴かず飛ばずだったそうです。しかし、お客さんが「トンカツにはシジミの味噌汁が合う」と言っている声を聞き、トンカツ定食にセットとして100円のシジミの味噌汁を付けたところ、評判になったそうです。1959年(昭和34年)、味噌汁を「しじみの味噌汁」に変更しています。
 また、今ではトンカツ屋さんの定番とも言えるキャベツや御飯のお替り無料のサービスですが、和幸商事の「とんかつ 和幸」は、1960年(昭和35年)に、これらのサービスを開始しています。
 1995年には、付け合わせのキャベツから出た水分が皿の上で衣にしみ込んで舌触りが悪くなることを防ぐため、金網の上にトンカツを乗せるというアイディアを採用しました。最初は、横浜市の上大岡店に試験的に導入したそうですが、評判となり、瞬く間に全店に広がり、他の豚カツ店も真似をするようになったそうです。
 さらに、ヒレカツを3枚に開く方法も、和幸商事の「とんかつ 和幸」が最初だそうです。当時は、棒カツが一般的だったのですが、棒状だと揚げるのに時間がかかり、中まで火が通った時には衣がやけすぎてしまうという欠点があったため、3枚に開くことを考案した結果、調理しやすく、食べ易く、口の中で肉と衣が上手く混じり合って美味しいという利点だらけになったそうです。これも、現在のトンカツ屋さんでは一般的になっています。
 和幸商事の「とんかつ 和幸 1号店」は、現在はアゼリア川崎に移転しています。また、2020年4月現在、271店舗を運営しています。
 協和株式会社はweb siteもなく、情報がありません。裁判資料によると、2010年には9店舗を運営していたようです。ところが、2020年6月時点で、営業している店が見つかりません。2020年5月で全店、閉店して廃業したのでしょうか?全く情報が無いので、何も分かりません。Webで分かった情報ですが、次の8店舗は全て、2020年6月までに閉店しています。小田急百貨店新宿店、東武百貨店池袋店、東武百貨店池袋店、錦糸町テルミナ店、東京楽天地ビル店、東京駅一番街店、Wanza Ariake Bay Mall店、幕張WBG店。これらから、協和は東京都内および近郊(千葉県でも遠くではなく、東京に近い場所)までしか店舗を出していなかったことが分かります。また、以前は「美味しかった」という感想もあるのですが、2015年以降は、店員の対応が悪い、料理の品質が悪いという悪評ばかりが目立ちます。協和は、事業から完全に撤退したのでしょうか?知っている方は、教えていただければと思います。





・特ひれかつ御飯





・とんかつ 和幸 川崎アゼリア本店
 住所:神奈川県川崎市川崎区駅前本町26-2-2018 アゼリア B1
 TEL:044-245-1801
 営業時間:11:00〜23:00
 定休日:不定休(アゼリアの定休日に準)
 駐車場:有
 アクセス:JR、川崎駅、東口から徒歩約2分
 カード:可(VISA、Master、JCB、AMEX、Diners)
 席数:42席
 オープン日:1958年10月