蒙古タンメン中本

このサイトは、日本の地域の情報についてまとめました。

  メニュー

TOPページ 

観光地 

地域情報 

日本のホテル 

日本のニュース 

日本について 

美味しいもの 

海外事情 

海外のホテル 

食品の話 

雑学 

用語辞典 

リンク 


更新日:
 2020年11月14日



◎蒙古タンメン中本(2020年8月25日)
 「辛旨ラーメン日本一」として知られ、幅広い層から絶大な人気を誇っているお店が「蒙古タンメン中本」です。現在は株式会社誠フードサービス(1991年11月22日設立、資本金:1,000万円、代表取締役:白根誠、本社:埼玉県新座市)が運営していますが、二代目ということになっています。
 そのルーツは1968年9月、東京、板橋区の東武東上線、上板橋駅近くに開店した「中国料理中本(なかもと)」というお店です。創業者は中本正さん(2014年3月6日没)で、屋号は創業者の苗字から名付けられています。もともとは普通の町中華として営業していたそうですが、店主の中本正さんは辛い料理が好きだったため、オープンから約1年後に辛いメニューを考案したそうです。お客さんに提供したところ評判が良かったため、次第に辛い料理ばかりが注文されるようになり、結果的に辛い料理の専門店のようになったそうです。
 当時の「中国料理中本」は開店時間が11時30分と書いてあったものの、10時頃には注文ができたそうです。しかも、11時頃には料理ができて食べることもできたそうです。またメニュー名も「蒙古タンメン」、「札幌味噌ラーメン」など、独特なものだったそうです。さらに店内に貼られていたメニューには、以前はやっていたものの、今は作っていないメニューまで貼ってあったそうで、初めての客が「チャーシューメン!」と注文して、「すみません、それ今やってないんです」と答えるということがよくあったそうです。
 「蒙古タンメン」という名前は、モンゴルとは直接的な関係がないそうです。寒い土地では辛いものを食べるのではないかというイメージで、中本さんが名付けたそうです。「北極ラーメン」という名称は、「辛さを極めた」との意味を込めて名付けたそうです。
 中国料理中本は、近くにあった城北学園高校や都立大山高校の学生や地域住民、噂を聞き付けた首都圏の辛党に愛されていたそうですが、中本正さんが高齢となり、健康上の理由から1998年12月28日に惜しまれつつ、閉店しました。
 この人気店の味を継ぎたいという人が、中本正さんにアプローチをしたそうですが、ことごとく断っていたそうです。現在の蒙古タンメン中本の社長である白根誠さんも、その一人でしたが、何度断られても諦めなかったそうです。1960年生まれの白根誠さんは、20歳の頃に中国料理中本のラーメンに出会ったそうです。最初は友人に連れられて来店したものの、あまりの辛さに完食できなかったそうです。しかし、友人がはまっていたこともあり、二回目には気合を入れていったものの、やはり完食できなかったそうです。3回目にやっと完食し、スープも飲み干し、そこから大ファンとなり、ついには閉店するまでの約20年間、毎日のように通う太い常連客になっていたそうです。
 白根誠さんは、閉店後、都内のいろいろな辛いラーメンを食べ歩いていたそうですが、「中国料理中本」のような美味しくて辛いラーメンには出会うことができず、1999年2月頃、店の2階に住んでいた中本正さんに電話をかけ、「是非ともお会いしたいんです!お願いします!」とお願いし、自宅(当時は1階が店で2階が自宅だったそうです)を訪ねたそうです。そして、面と向かって「俺自身、こんなにはまったラーメン屋はありませんので、是非とも店を継がせてください!」って2時間くらい話して頭下げたそうですが、中本正さんは、「うん、分かった。でもうちのラーメン屋はやめときな」って断ったそうです。「他のラーメン屋やんなよ。うちは大変だよ」と言われてしまったそうです。
 ただ、その後、白根誠さんは「中本禁断症状」が出て、どうしても食べたくなったそうです。そして、その1〜2ヶ月後に、また電話して、「もう継ぐって話はいいです。食べさせてもらえませんか」と頼んだそうです。中本正さんは「自分も好きで、家で食べる」と言っていたそうで、絶対、家でも作っていると思ったのだそうです。だから「作っている時でいいですから、俺の分も作ってもらえませんか。材料費も出しますから。」って言ったら「そりゃあ、あんたの分だけそういうわけにはいかないよ」って断られたそうです。
 白根誠さんは、断られたからガチャンって切るのも大人げないので、「じゃあラーメン屋ってどういうものなのか、ラーメン屋の話を教えてください。」って言ったら、「ああ、いいよ。酒飲めるか?飲みに行こう!」って返ってきて、飲みに行くようになったそうです。
 何回か飲んでいるうちに、また色気が出てきて、「これだけ親しくなったらいいんじゃないか、もう一回言ってみよう」と思って言ったら、中本正さんは「う〜ん、ちょっと考えてみる」という反応になったそうです。
 そして次に電話した時に「じゃあ、もう一回会うか」と言われて、会ったところ、やっと「お前だったらいいよ」と許可がもらえたのだそうです。そして、中本正さんからの厳しい指導の末、認められた白根誠さんは、約1年後、2000年2月10日に「蒙古タンメン中本」と改名した新しいお店を上板橋にオープンしました。この店名は中本正さんが名付けたそうです。当時は告知するお金がなかったので、借りた店のシャッターに「中本復活!2月中旬!」ってスプレーで殴り書きしたそうですが、人伝いに情報が口コミで広がっていったそうです。その結果、オープン初日には、かつての中国料理中本のファンが殺到し、100人程度の行列ができたそうです。
 「蒙古タンメン中本」は「中国料理中本」の味を引き継ぎつつも、いろいろな工夫を取り入れています。白根誠さんは、自身が辛さのあまり、最初は完食できなかった経験を踏まえ、初心者に対してはあまり辛くない「味噌タンメン」から入ることを勧めています。「味噌タンメン」は、野菜がしんなりするまで煮込まれており、鍋料理のように肉野菜のエキスがスープに溶け出しています。この味をきっかけに、徐々に辛さに慣れてから看板メニューである辛子麻婆豆腐が入った蒙古タンメンに進むことを提案しています。白根誠さん自身も20年近く通ったうち、最初の5、6年は味噌タンメンを食べていたそうです。
 「蒙古タンメン中本」では、辛さを0から10まで段階分けし、お客さんが見やすいように店の内外に掲示してあります。これは、メニュー名だけでは辛さが分かりにくい点を見える化し、注文しやすいようにしています。また、辛い料理が本当に苦手な人や子どもに対しては、辛くない塩タンメンも用意しています。
 2020年11月現在、東京、上板橋本店のほか、都内をはじめ、埼玉県、千葉県、神奈川県、群馬県、栃木県を含め計24店舗もの店舗展開をしています。(2019年7月現在)をしており、2020年12月23日には「蒙古タンメン中本 宇都宮」が栃木県宇都宮市にオープンします。Web siteによると、今後の目標は全国制覇だそうですので、まだまだ店舗を拡大していくのでしょう。



・蒙古タンメン
 蒙古タンメンは、味噌タンメンに秘伝の辛し麻婆をトッピングしたラーメンで、野菜の甘味を感じられるスープに辛し麻婆の辛さとトロ味が溶けて行くにつれコクが増すラーメンです。



・蒙古タンメン中本 上板橋本店
 住所:東京都板橋区常盤台4-33-3 浅香ビル2F
 TEL:03-5398-1233
 営業時間:11:00〜23:00
 定休日:年末年始
 駐車場:無
 アクセス:東武東上線、上板橋駅、北口から徒歩約1分
 カード:不可
 席数:28席
 オープン日:2000年2月10日