河金(かわきん)

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更新日:
 2022年6月19日



◎河金(かわきん)(2022年6月15日)
 「河金」は、1918年(大正7年)に創業したお店です。当初は洋食の屋台で、初代店主、河野(こうの)金太郎氏が、自分の名前から「河金」と命名したそうです。当時は、カツレツ(豚カツ)、コロッケとライスカレーを販売していたそうです。そんな中、お客さんから「カツレツの上にカレーをかけてくれ」と注文され、提供したそうです。つまり「河金」はカツカレーの発祥のお店だそうです。(河金以外にも、銀座の「グリルスイス」がカツカレー発祥の店という説があります。)当時、カツレツが10銭、カレーが10銭で河金丼は20銭だったそうです。
 「河金」が提供したカツカレーは、現在のカツカレーとは異なります。丼ご飯の上に千切りキャベツを敷き、トンカツを乗せてカレーをかけた料理ですので、正しくは「カツカレー丼」です。「河金」での料理名は「河金丼」です。「河金」で考案された「丼」料理ということでしょう。
 その後、1929年(昭和4年)に旧、国際劇場の隣(現、浅草ビューホテルの場所)に12.3坪の店舗を建てたそうです。当時の浅草は都内でも随一の歓楽街で、国際劇場には昭和のスターたちが出演していたため、多くの人がお店を訪れ、大繁盛したそうです。
 お店は河野金太郎氏の長男、河野清光(きよみつ)氏が2代目を継ぎました。太平洋戦争後、店を再開したものの、一時は豚肉が手に入らず、馬肉で代用していたそうです。2代目、河野清光氏は、出入りの肉屋が進駐軍に納入する大きな豚肉の塊を持っていたのを見て、「栄養不足の日本人にも大きな豚カツを食べてもらいたい」と思ったそうです。その頃、「河金」の常連だった永六輔さんが、様々なものを測る「尺貫法」を残そうという運動していて、「匁の歌」という歌を歌っていたそうですが、「このお店でも匁を使ってよ」と依頼されたため、「100匁(もんめ)とんかつ」というメニューが生まれたそうです。「匁」は尺貫法の重量単位で、1匁は3.75gですので100匁は375gです。ワラジ豚カツとか呼ばれるような巨大な豚カツです。
 この「百匁(もんめ)とんかつ」は有名になり、美空ひばりが食べに来たり、国際劇場のルイ・アームストロングの楽屋に出前したりしたそうです。また、江利チエミは常連で、河野清光氏は高倉健との結婚式にも招待されたそうです。また、映画「男はつらいよ」の21作目のロケ地にもなったそうです。
 また、河野金太郎氏の次男の河野信之助氏が暖簾分けされ、「河金 下谷店」を開業しました。その後、「河金 下谷店」は河野信之助氏の長男、河野純一氏が継ぎ、現在二代目(金太郎氏から数えると3代目)になっています。また、河野信之助の次男、河野謙二氏が「下谷店」から暖簾分けされ、1984年(昭和59年)に「河金 千束店」を開業されています。「河金 千束店」も河野謙二氏から河野貴和(よしかず)氏(初代から数えると4代目)に引き継がれています。下谷店と千束店が代を繋いでいる一方、本店である浅草の「河金本店」は1987年(昭和62年)に後継者の問題があり、閉店したそうです。現在は、その場所に浅草ビューホテルが建っています。
 「河金丼」の具は玉ねぎと豚肉だけだそうです。ルーは特別なものを使っていて秘密だそうですが、具をルーと一緒に2時間ほど煮込み、小麦粉を入れてとろみを出し、これにカレー粉、砂糖、ソースなど「隠し味」を加えるそうです。ここまで出来たカレーを7〜8時間、寝かし、水分が抜けた状態になったものを、さらに1日寝かせておき、注文を受けてから玉ネギのエキスと水を添え、カレーを温めながら同時にカツレツも揚げるそうです。この作り方は初代が考案した、大正時代の屋台の料理から変えていないそうです。また、豚カツの衣は、かなり細かい生パン粉を使っているので、さっぱりと食べられるようになっています。
 店内には暖簾分けや親戚の店、取引業者など、関係者の名を刻した板が飾られています。昔は、開業時の祝いとして花ではなく、このような木の和彫りを贈るのが一般的だったそうです。現在では知らないようなことが分かるのは、老舗のお店の素晴らしい点ですね。











・河金丼(大盛)
 大盛りを注文したら、「丼」ではなくなってしまいました。残念。ちなみにスプーンではなく、フォークです。



・ヒレカツとメンチカツ



・河金(かわきん)
 住所:東京都台東区下谷2-3-15
 TEL:03-3873-5312
 営業時間:11:00〜14:00、17:00〜19:30
 定休日:土曜日
 駐車場:無
 アクセス:JR、鶯谷駅、南口から徒歩約6分
 カード:不可
 席数:12席(テーブル:2席、座敷:4席)
 オープン日:1918年(大正7年)

・河金(かわきん) 千束店
 住所:東京都台東区浅草5-16-11
 TEL:03-3872-0794
 営業時間:11:00〜20:00
 定休日:土曜日
 駐車場:無
 アクセス:TX線、浅草駅から徒歩約15分
 カード:不可
 席数:15席(カウンター:7席、テーブル:8席)
 オープン日:1984年(昭和59年)